第26話 激昂

「おい、真梛羅!!一体何が……真梛羅!?」

「孔醒、夏雅璃弥をお願い……!!」


 真梛羅は激昂し、煉叡と共に中庭で惰邪と交戦する。


「夏雅璃弥、しっかりしろ!!」

「孔、醒……?」

「夏雅璃弥!!」

「孔醒、何をして……!?その子、大丈夫!?」


 見知らぬ8人が2人に駆け寄るも夏雅璃弥はゆっくりと立ち上がり、中庭へ向かう。


「お、おい、辞めとけって💦」

「馬鹿、今の夏雅璃弥に触れ―――」


 熱風が発生し、男は吹き飛ばされる。


「河維斗!!」

「邪魔、する、な……。」

「っ……!!」


 女が夏雅璃弥の右首元に噛み付き、夏雅璃弥はその場に座り込む。

 目、眩……?


「血出てるのに無理しないで!!」

「香錬、ちゃんと加減して!!」

「ゆ、由優、ご、ごめん💦」


 意識が、遠退いて……?


「おい、しっかりしろ!!」

「赴鳥麻、そのまま支えてて!」

「汐里、翠、津羽軌、人呼んできてくれ!」


 津羽軌は人を捜しに行く。

 女が夏雅璃弥に肩を貸し、中庭の方へ歩いていく。


「「「芽絿!?」」」

「お前……。」

「あの子に人を殺させたくないんでしょ?私が手伝ってあげる!」

「悪い、な……。」

「煉叡!!!!」


 煉叡が気を失い、血だらけになっている惰邪を抑え付け、真梛羅は龍涙を構える。


「私の目の前から失せ―――」


 ―――トン。


 誰かが真梛羅に背後からくっ付き、頭を撫でる。


「大丈夫……。俺は、大丈夫……。だから、人を……殺さないで、くれ……。」

「夏雅璃弥……。」

「俺の、為に……戦って、くれて、ありがとう……。でも、人殺し、に、ならないで、くれ……。」


 夏雅璃弥は後ろに倒れ、煉叡が惰邪を抑えながら、尻尾で夏雅璃弥を支える。


「夏雅璃弥!!」


 真梛羅は人の姿に戻り、龍涙を落とし、夏雅璃弥に触れるも夏雅璃弥は目を閉じ、体に積もっていく雪に体温を奪われる。


「夏雅璃弥!!」

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