第22話 分家

「分家……?」

「と言う事は……孔醒は真梛羅の「従妹……?」

「辞めろ、俺に触るな……。」

「寝言……?」

望美のぞみ、お嬢様……。今、この“響輝”が……助け、出して……。あ、あれ……皆……?」


 孔醒は目を覚まし、驚く。


「……おい、孔醒。今のは?」

「えっ……?俺、何か言ったっすか……?……そうだ、瑠卸とはどうなったんすか!?」

「お、落ち着け。あいつは『響輝。』

「!!」

『分家の響輝だな?』

「……ああ、そうだ。良くお嬢と遊ばせて貰った。」

『その口調、懐かしいな。』

「何で……黙ってたの?」

「……怖かった。あの白泳の分家なんて言ったらまた冷たい目で見られると思った。真梛羅が本当の事を言った時、俺も本当の事を言おうと思った。だが、今頃?今までずっと騙してたの?って、言われるのが凄く怖かった……。」

「発作の事は?」

「初耳だ。だが、心当たり、は……」


 孔醒は前に倒れ始め、夏雅璃弥が孔醒を支える。


「お、おい!!」


 孔醒は胸を抑えて苦しむ。


「……舞姫、真梛羅と孔醒をしばらく預かって良いか?」

「えっ……?」

「真梛羅は久し振りに発作が出たし、孔醒の発作がどんな物か調べる必要がある。だから念の為、健康診断をしようと思う。まぁ、色々引っ掛かるとは思うがな💧」

「願ったり叶ったり。」

「それじゃあ―――」


 唔天は腰のベルトに引っ掛けてある拳銃を抜き取り、目を閉じ、胸を抑え、夏雅璃弥に支えられている孔醒に向ける。

麗菜、夏雅璃弥、朴滋、櫂麻、渓御、煉叡は恐怖で凍り付く。


「ご、唔天!?な、何を「少し寝てろ。」


 ―――ダァン!!

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