第10話 氷狐の脅威

「こんにちは~♪私は氷邪ひょうか。半分氷狐ひょうこよ♪」

「前言撤回っす。こいつが犯人っす!」

「ええ、そうよ~♪」

「2人に何の用!?」

「2人……?おかしいわね、3人って言ったはずよ?」


 氷邪は夏雅璃弥の左側にもたれる。


「おい、夏雅璃弥!目を覚ませ!」

「無駄よ~♪だって―――」


 氷邪は夏雅璃弥の後ろ髪を掴み、前に倒せば夏雅璃弥の首、右半分と右眼瞼が氷に覆われていた。


「「「「夏雅璃弥!!」」」」

「この子はもうとっくにやられてるもの。それじゃあバイバイ~♪」


 氷邪は黒い炎に包まれ消えた。


「おい、しっかりしろ!!」

「巡査、行先変更!!急いで屋敷に戻って!!」

「全員何かに掴まれ、飛ばすぞ!!」




「櫂麻は風呂に行って大量のお湯を沸かせ!!」

「りょ、了解!!」

「俺は真梛羅!朴滋は夏雅璃弥!麗菜は渓御を脱衣所に運べ!」

「「了解!!」」

「室長と巡査は月光の間に3人分の布団を敷いといてくれ!!」

「ええ!!」「ああ!」




「麗菜、孔醒、朴滋!!」

「湯、沸いたか!?」

「湧いたよ!」

「麗菜、朴滋、2人の上着を脱がして風呂場で氷の部分に湯、掛けろ!!間違っても他の傷口に掛けんじゃねぇーぞ!!」


 麗菜達は3人の上着を脱がし、風呂場に運べば何らかに反応した氷の勢いが強まり、広がっていく。


「クソ……!」

「早くしないと心臓まで……!」

「皆、離れて!!」


 櫂麻は青目、青い水竜の角、尾、鱗姿になり、浴槽のお湯を波のように3人の体に思いっきり掛ければ氷は消滅し、3人は目を覚まして咳込む。


「「「「真梛羅、夏雅璃弥、渓御!!」」」」

「うっ……くっ……。」

「ぐっ……くっ……。」

「はぁ……はぁ……。」

「皆!!」

「あ、あれ……?戻ってきてる……?」

「ふ~……。良かったっす。3人共、無事っす。」

「ん……?何で俺達、こんなに濡れて……くしゅっ、」

「中途半端に濡らしたから体が冷えたんだな。さ~てと、仕方ない。こうするか。」


 朴滋は脱衣所と風呂場の中央に壁を出現させ、それぞれ2つの部屋ずつにする。


「麗菜―――!櫂麻―――!風邪引くといけねぇーからこのまま体洗ってやろうぜー!」

「「分かったー!」」

「俺はタオルと3人の着替え持ってくるっす!」

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