第6話 恐魔
真梛羅の部屋。そこには勉強机とその上にパソコン。ベッド。空の本棚があった。
「はぁ……。」
7月5日の深夜2時……。私の、誕生日とその時刻……。
真梛羅は寝返りを打ち、龍涙を握、
「!?」
襖越しに青い炎が見え、真梛羅の部屋を横切る。
何、あの炎!?
襖を力強く開き、炎を追い駆けた。
クソ、見失った……!!
「真梛羅、どうしたの?」
「今、青い炎見なかった!?」
「あ、青い炎!?ひ、人魂って事!?」
「ひ、人魂……?」
「え、ええ。って事は何かがこの屋敷内に入り込んだのね……。」
「えっ……?それって」
ズルズル……。
何かが2人の足音を這うような音がした。
「い、今の……。」
「き、聴こえた……。今の音、格技室に行ったみたいね。追い駆けよ!」
「うん!」
「暗いね……。」
「今明かり点けるわ。」
だが、格技室には何も居なかった。
「あ、あれ……?何も居ない……。」
「でもこっちで合ってると思うんだけど……。」
「だよね~……!真梛羅、あれ。」
渓御は部屋の右奥を指差せばそこには黒い小さな犬が居た。
「犬……?」
「まぁ、とりあえず外に逃がしてあげよ。」
「渓御、駄目!!」
真梛羅は渓御の前に立ち、龍涙を構える。
「ど、どうしたの?」
「あの犬の目、よく見て。」
「犬の目……?赤い縦長!?」
「あの犬、おかしいよ。心臓の音が聴こえない。」
「そんな事まで分かるの!?」
「……うん、私は耳が良い。妖の血が沢山混ざってるからね。おい、そこの犬。何者だ。」
「何だ~……。もう分かっちゃったんだ~?」
「い、犬が喋った!?」
「……ここに何の用だ。」
「その槍、白泳の匂いがする。君もね。……何だか面白い2人だね。両方共、半妖か~。」
犬は立ち上がり、2人に近付く。
何、この感覚。何か嫌な予感がする……。
「ちょっと俺と遊ぼうよ。」
格技室の明かりが消え、暗闇になる。
「な、何💦急に明かり消えちゃった💦」
「お、落ちつい……ひゃぁっ!?」
「ま、真梛羅!?ど、どうしたの!?」
「い、今足に何か当たったの💦ヒンヤリしてヌメッとして何かが💦」
―――カチっ
「あ、あれ……?つ、点いた?あの犬は!?渓御、あの犬が居ないよ💦」
渓御からの応答はない。
「渓御……?」
真梛羅はゆっくりと後ろを見れば渓御は床に倒れていた。
「渓御、しっかりして!!渓御!!」
「真梛羅、お前か?さっき電気点けて消した奴。また点けるなら消すなよ~。」
「夏雅璃弥、渓御が!!渓御が倒れちゃった!!」
「な、何っ!?「お、おい、しっかりしろ!!」
「渓御、目を開け「なんちゃって。」
「っ!?」
夏雅璃弥は真梛羅の肩を掴み、膝蹴りを入れ、真梛羅はその場に倒れる。
「夏雅璃、弥……!?」
「アハハハ!!引っかかった!」
夏雅璃弥は黒い霧に包まれて全く見た事のない人物の姿へと変わる。
「さ~てと。」
「うっ、くっ……。」
男は真梛羅の首を掴み、宙に持ち上げる。
「お前……何者、だ……。名乗、れ……。」
「へ~。首絞めてるのにまだ喋れるんだ~。良いよ、名乗ってやる。俺は
「っ……!?」
「……クク、キャラ作るのにも飽きてきた。でもお前、本当に面白いな。その顔、痛ぶり甲斐がある。」
真梛羅の抵抗する力が弱まる。
「おおっと、危ない危ない。」
銅仁が真梛羅を離し、床に倒れ、やっと解放されて咳込む。
「次は何して遊ぼうか?……そうだ!」
銅仁の背中から黒いヌメヌメした触手のような物が真梛羅の両腕を捕らえ、宙に持ち上げる。
「今度はこうしてみるか。」
銅仁はポケットからナイフを取り出し、真梛羅の首を少し切る。
「っ……!?」
真梛羅の血は赤ではなく黒くなっていた。
「黒、血……!?」
「さ~てと。そろそろ終わりにしよう。」
銅仁は黒い剣を取り出し、真梛羅の腹部に刺し、抜いた。
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