第2話


「おはよう、あなたにはとある世界を救って欲しいのです、もちろんタダではないです。叶えられる範囲内で何かお願いを聞いてあげます。って言ってももうキャンセル出来ないです。あなたをここまで出したので、でもあなたがあちらで死ぬことは絶対あり得ないですけど、頑張ってください」


「え、マジですか?帰れんの?」

 と疑問を投げるが、返球はされないようだ。どうせ同じことを繰り返すだけ無駄なので、やめると和服お姉さんが話しかけてきた。


「ではよろしく頼みましたよ」


 と満面の笑みを浮かべながらこちらを見てる。だが少しすると俺の視点は上へ上がっていきしばらくするとまた消えてしまった。


 今日何度目かわからない体が動かされる感覚に揺られながら待つ。気が狂いそう。


 褒美か、、何にしよう?帰れたとして、その時に覚えてなさそうやなぁ。


 そういえば、和服お姉さんは転移って言ってたよね。ならどっかに召喚されるのかな、ならマシな国とか召喚者にしてほしい。


 こういう、異世界系のものは姉貴が見せてくれていたから、ある程度知識を持っている。


 そんなことを考えているが、明らかに先ほどより長いのだ。目は閉じさせれているから、どこなのかわからない。


 ちなみにだが、俺の姉貴は絵が上手い。だからか、家のヒエラルキーは確か姉貴がトップに君臨していたはずだ。


 姉貴が絵の才能を開化させる前はみんな仲良し、今住んでいる所よりも狭かったが何にも不便はなかった。


 しかし、姉貴が絵の才能を開化させると両親は家に人を呼んでは姉貴の絵を見せて売っていた。


 姉貴は最初、俺たちの生活が良くなるならってことで絵を描いてくれていた。しかしあまりの才能に姉貴の絵は売れすぎてしまった。


 金に目が眩んだによって、家は崩れた。段々俺だけ扱いが悪くなっていったのだ。


 姉貴を除いた兄弟はそれぞれスポーツなどの運動で伸び代があると父親によって判断されたから姉貴よりは低いが優遇されていた。しかし俺は何をやってもダメだった。その結果があの兄弟のストレスとかのはけ口だ。


 でも姉貴はいつも俺を庇ってくれてた、よくはわからなかった。あの時だって、俺が食べようとした時に帰ってきたから食べるのを見た姉貴は、何をしてるの?と寄ってきた。


 食べられないようなものと知ると、怒りに形相で父親へ抗議を行なった。その結果ご飯は良くなった。しかしまったくお前さえという視線を零す父親、姉貴に怒られた兄弟、特に兄弟は怒られた理由がわからないのでストレスを溜め今日みたいに俺がはけ口となる。あの後は良く姉貴甘えさせられるようになった。今日は運が悪いのか、姉貴が遠めの場所へ予定があった。しかしあの姉貴のことだ、はやめてきたのだろう。嬉しいが泣きたくなる。


 なんで理由がわからないのかって?それが当たり前になってたからだよ。あいつらの頭の中は。


 ちなみにとはカビが生えかけのパンだ。しかも硬い。だから、水にふやかして食べてる所を見つかった。


 と昔話にふけっていると、大きい光が目の前に見えてきた。俺は姉貴と母さんには感謝をしている。



















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