とある女子高生の自殺とタピオカ
そうだ、餓死しよう。と思った。名案だと思う。首吊りは首がみょーっんって伸びてダサいし、飛び降りはぐしゃぐしゃになっちゃって汚いし、電車への飛び込みはみんなに拡散されちゃうし、それにこれらは全部痛くて苦しい。痛くて苦しいのは怖いからやだ。餓死だったら空腹を我慢さえすればいいわけだからお手軽だよね。
あ、そうだ、遺書を書かなくちゃ。自殺って言ったら遺書だよね。何書けばいいんだろう。死ぬ理由とかかなって思ったけど、特に大それたものもないし困ってしまう。将来に絶望したからですって書こうと思ったけど、なんか気取ってるみたいでダサいからやめた。死ぬ理由って難しい。でもそれをいうなら生きる理由も大して無いしおんなじだった。
生きるのって楽しくない。それでも死なない限り生きてるから、気づいたらいつも暇つぶしを探してる。相対性理論について考えたり、どうして人は争うのか嘆いたり、愛の尊さを綴ってみたり。嘘。実際は変なつぶつぶを潰すゲームをしたり、友達にそれなーって言ったり、箸が転がったらげらげら笑ったり。楽しい楽しい暇つぶし。でもさ、友達と話してて楽しいけど、ふっとしたときにやっぱりこの子は、私の事分かってくれてるわけじゃないなって思って寂しくなるよね。うんうん。それなー、ちょーわかる。って言ってて分かってくれてるの、タピオカが美味しかったことだけでしょ。理不尽教師が理不尽なことだけでしょ。それって私の事じゃないじゃんってなる。けど私だって友達の事分かってるわけじゃないからおあいこ様だよね。
ていうか、死ぬ前にスマホ壊さなきゃ。親に見られるのは恥ずかしい。私はえいやってスマホを叩き落として、家にあるいろんなもので叩いて壊した。これでよし。さて、あとは餓死を待つだけ。簡単簡単。って思ったけど死ぬまで暇だな。人間ってどれぐらいで餓死するんだろうと思ってググろうとしたけど、さっきスマホ壊したばっかで無理だ。どうしよう。暇つぶしを探さないと。友達とも連絡取れなくなっちゃったし、そうだ、とりあえずタピオカでも飲みに行くか。お腹すいたしね。
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