第17話 修行しました
次の日、師匠との修行は始まった。
「見ておれ」
と言って、師匠が岩の上にで座禅を組む。
魔力感知によって、師匠の周りに魔力が集まるのが分かった。
その魔力が、師匠の体に吸い込まれて行く。
師匠の生命力が大きくなったのが分かった。
魔力を生命力に変換するのは、回復魔法に似ている。
自分の魔力を使うか、大気中の魔力を使うかの違いのようだ。
師匠が言った。
「どうだ、見えたか」
「魔力が師匠に吸い込まれてゆくようだった」
「まず、大気中の魔力、物質、埃や水分まで認識する」
「はい」
「それができたら、大気を操り、魔力のみを我が方へと導く」
「なるほど、やってみる。まず、座禅を組むんだね?」
「それらしく見えるじゃろ」
(座禅を組む必要は、無いらしい)
まず、魔力感知と空間探知の制度を極限まで高め、大気を探る。
もちろん、立ったままだ。
1時間ほどすると、大気中のすべてを把握できるようになった。
体の中の魔力を操作する要領で、魔力だけがこちらへ来るように念じる。
少しづつだが、魔力が集まってきた。
それを見ていた師匠が言った。
「それは、駄目じゃ。空気を動かせ」
「魔力じゃなく、空気か!」
今度は、空気を動かせて魔力を集めるように念じる。
さらに1時間ほどして、再度魔力が集まり始めた。
「ほう、もうそこまで出来るか」
そこで少し休憩。
修行を再開して、2時間ほどで、かなり魔力を集められるようになった。
その魔力を生命エネルギーに変換してみる。
それは、予想通り簡単だった。
「できたよ、師匠!」
「早かったな。最低でも10日ぐらいは掛かると思っとったぞ!」
「水分を集める方が、簡単そうだね」
「まあ、そういうことだ」
「あまりにも早かったので、気功術も教えるぞ」
「師匠は、お腹が空かないかも知れないけど、僕は腹ぺこだよ」
「おお、そうか。じゃが食い物はないぞ」
仕方が無いので、師匠の家(洞窟)の前に魔方陣を描く。
転移魔法で家に帰り、母に弁当を2人前作って貰う。
そのほかにも、野菜をいくつか空間収納にしまう。
肉は、すでに収納されている。
森での訓練で狩った獲物だ。
転移で山へ帰り、昼食を取った。
師匠も、きっちり食べた。
修行再開。
大気中に道を作る練習からだった。
師匠は、自分の口元から僕の右の耳元まで空気の筒を作った。
仙術の応用らしい。
「どうじゃ、聞こえるか」
「なるほど、右の耳だけ聞こえます」
「これを気道という。まずこれを作る練習じゃ」
1時間ほど練習して、なんとか気道を作れるようになった。
次は、空気を圧縮する練習をする。
仙術を使って、空気を操作するのだ。
まず、師匠が見本を見せてくれた。
また、1時間ほど経過。
師匠と同じぐらい圧縮できるように成った。
仕上げの練習。
師匠が、空気圧縮と気道を同時に行う。
気道を保ったまま、圧縮した空気を解放する。
と気道を伝って衝撃波が発生。
気道の先にあった岩を砕いた。
「なるほど」
何度も練習して、なんとか目標達成。
「気弾」という技らしい。
次に練習したのは、「内打掌(ないだしょう)」。
これは、空気ではなく敵の内側に衝撃を与える技だ。
樽に水をため、その外側に手を当てた状態で、樽の水を振動させる。
師匠がやると、樽の水がほとんど外へ飛び出た。
俺も、2時間ほどの訓練で、半分ほどの水が外へ出るぐらいになった。
「ふむ、もう教えることはないのぉ」
「えっ」
「後は、自分で工夫するがいい」
「...」
「大事なのは、この訓練を毎日欠かさずやることじゃ」
「じゃあ、もう、帰ってもいいの?」
「まぁ、たまには遊びに来い。修行の成果を見てやるぞ」
お礼代わりに、収納庫からいくつかの食材を取り出す。
それを、師匠に渡してから帰った。
お腹空かないらしいけど、食べるんだよな。
たった、1日の修行だったけど得たものは大きかった。
以後、この修行も一日の日課に加えた。
師匠にだめ出しされた方法も加えた。
魔力だけを集める方法だ。
魔力を集めるだけなら、この方が効率がいい。
そして、1ヶ月後の自分のステータス。
なぜか上限が「?」になっていた。
新しいスキルも覚えたようだ。
8歳時ステータス
名前 シルトバーム
職業適性 勇者・魔王
HP A/?
MP S/∞
攻撃力 A/?
防御力 A/?
精神力 S/?
知力 S/?
俊敏 S/?
スキル・魔法
剣 A/?
体術 S/?
仙術 B/?
気功術 B/?
攻撃魔法全般 S/SSS
その他魔法たくさん
空間収納∞
鑑定S/?
魔力感知S/?
空間探知S/?
魔法詠唱破棄
その他スキルいろいろ
新しいスキル
HP自動回復F/?
MP自動回復F/?
空間操作B/?
流体操作B/?
魔力操作B/?
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