第15話 職業鑑定しました
8歳になった次の春、1月7日の朝。
ガルロス領では、職業鑑定をするのが習わしだ。
鑑定は、神殿または冒険者ギルドで行える。
ガルロス東街に神殿はなく、鑑定は、ギルド支部で行われる。
ガルロス領のギルドは、城塞都市に本部があり、東街、西街には支部がある。
支部といってもそれなりに大きい。
北のモルボスの樹海には、沢山の素材やモンスターが生息している。
いくつかのダンジョンもある。
それを目当てに冒険者が多数、集まってくるのだ。
この街のギルドには、レベルDの鑑定器がある。
冒険者登録やランク査定に必要なためだ。
毎年、その鑑定器で子供達を鑑定するのだ。
ということで、8歳になった俺は、今、母と共にギルドへ来ている。
すでに15組ほどの親子が、鑑定器の前に列を作っていた。
中には親しい者もいて、声を掛け合ってから、列の後ろに並んだ。
普段、鑑定器はカウンターの上に置かれている。
が、この日は、別に用意された机の上に置かれていた。
机の向こうには、2脚の椅子が置かれ役人が座っている。
鑑定の後、身分証を発行してくれるらしい。
列の前から順に鑑定を終えて行く。
身分証発行に時間が掛かるため、処理は遅い。
また、遅れてきた者が列の後ろに並ぶ。
全員の鑑定が終わるのは、昼前になりそうだ。
しばらくして、やっと俺の番が回ってきた。
俺の職業適性は「勇者・魔王」。
これをこのまま、表示させるのはまずい。
ということで、偽装しなければならない。
やつ(勇者)の案は、「魔法剣士」。
弱そうなので却下。
俺の案「大魔道剣聖」を強引に採用。
鑑定結果
名前 シルトバーム
職業適性 大魔道剣聖
HP B
MP SS
攻撃力 B
防御力 B
精神力 S
知力 S
俊敏 A
鑑定を見た役人が驚いている。
母は、もう驚かない。
1人の役人が言った。
「こんな職業を見たのは初めてです。驚きました」
母が、答えた。
「はあ、そうでしょうねぇ」
この月の15日、姉さんは、騎士学園入学の為王都へ旅立った。
もちろん、姉さんにもアイテムバッグをプレゼントした。
姉さんとは、アニーさんの店で出会いそうな気がするけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます