第14話 姉が時空魔法覚えました

 アニーの店に通い始めて数日後。

なんとなく姉のステータスを見てみると、新しい項目が増えていた。

「時空魔法D」

(何度も、いっしょに転移したからか?)

「姉さん、新しい魔法覚えてるよ」

「えっ。何?」

「時空魔法Dということは、空間探知魔法は使えそうかな」

「そうなの?やってみる」

「じゃあ、僕と手を繋いで」


 向かい合って両手を繋ぐ。

空間探知魔法を使いながら、同時に姉に魔力を流す。

姉なら、この方法で魔法を取得できるはずだ。

条件は、魔力感知」と「魔法詠唱破棄」。

姉は、すでにこの2つのスキルを持っている。

しばらくして姉が言った。

「出来た!」

姉を再鑑定した。

「あれ、スキルを取得したみたいだね」

「えっ、魔法のつもりだったの」

「だった」

「私は、スキルのつもりだった」

「...」


 その後の姉との会話。

姉「転移魔法憶えられないかなぁ?」

俺「ランクDじゃ無理。A以上だよ」

姉「そうか、残念」

俺「クイックは、憶えられるかも」

姉「それ何?」

俺「僕のファイヤーボール知ってるよね」

姉「うん」

俺「あれが早いのは、クイックを重ね掛けしてるからだよ」

姉「えっ、そうなんだ。でも同時発動しないと駄目なんでしょう」

俺「人にも使えるよ。MP食うけどね」

姉「う~ん、とりあえず教えて」


 ということでレッスン2。

再度両手を繋ぎ、魔力を流しながら、姉に「クイック」の魔法を使う。

次は、「スロー」の魔法を使う。

何度かこれを繰り返した後、姉に尋ねた。

「どう?憶えられそう」

「何となく掴めた気がする」

「じゃあ、やってみようか。人に使うのは、まだ無理だから」

と言って、紙くずを丸めて渡した。

「これに魔法を掛けて、投げてみて」


 姉は、しばらく集中してそれを見ていた。

魔力が流れるのが分かる。

姉が紙くずを投げた。

少しだが、早い。

「成功したようだね」

「でも、これの使い道が分からないわ」

「姉さん、弓が使えるよね」

「そうか、矢か」

この後姉は、弓の訓練にも力を入れるようになった。


10歳時姉のステータス

名前 ニストリーナ

職業適性 魔道士

HP E/C

MP C/S

攻撃力 F/C

防御力 E/D

精神力 C/A

知力  D/S

俊敏  E/B


スキル・魔法

弓E/?

炎D/?

風D/?

雷B/S

氷D/?

治癒C/?

時空D/?

魔力感知E/B

空間探知E/B

魔法詠唱破棄


備考:「/?」はまだ上限が確定していない

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