白い貝のように
貴方のそばを離れてから
もう幾年月が過ぎたのかしら
鏡に映った後れ毛に
昨日の夜じゃないかしらと
その手を止める わたしが居るの
雨の雫の一滴までもが わたしを眠らせない
木々の一葉までもが わたしの心を揺さぶるの
貴方を放してあげたのよと
そう 言い聞かせては
引き戻される
波打ち際の
白い貝のように
お酒を飲めないわたしには
貴方を忘れる術がない
外の明かりが差し込んだ
少しだけあいた障子窓
閉めずに待ってる わたしが居るの
雨の雫の一滴までもが わたしを眠らせない
木々の一葉までもが わたしの心を揺さぶるの
貴方の幸せのためだった
そう 言い聞かせては
引き戻される
波打ち際の
白い貝のように
貴方と歩いたこの海は
誰が名づけた 恋人岬
歩いた後から来る波で
頼りない足跡が消えていく
だから振り向かない わたしが居るの
雨の雫の一滴までもが わたしを眠らせない
木々の一葉までもが わたしの心を揺さぶるの
わたしが出直すためだった
そう 言い聞かせては
引き戻される
波打ち際の
白い貝のように
雨の雫の一滴までもが わたしを眠らせない
木々の一葉までもが わたしの心を揺さぶるの
貴方を放してあげたのよと
そう 言い聞かせては
引き戻される
波打ち際の
白い貝のように
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