七夕の逢瀬に




織女の言ったとおりに牽牛は千足ものわらじを編んで竹の下に埋め

伸びた竹を雲の上まで登って

やっと織女に逢えたのに

天の帝に意地悪された挙句 瓜の水が化した大河に引き裂かれ

でもなぜか二人を不憫に思った天の帝の命により

一年に一度だけ逢うことを許されたという…


天の川で二人の橋渡しをかってでたカササギたちの気持ちはともかく

自分の娘を誰にも嫁がせることなく

今もなお もったいつけるように一年に一度だけ牽牛に逢わせるというこの不条理な物語を

素知らぬ顔して寝物語で語るこの父は

心の中では納得していないのだよ






って 

嫁がせたくない ところだけ 気持ちはわかるんだけどね





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