第3話死因は推し
ネロに突き落とされてしばらくして流石に叫ぶのも疲れ果て、落下が終わるのを待つ。
とは言え、恐らく空からの落下中。下に待ち受けているのは地面。このスピードで落ちたら即死確定。もし水辺だとしても即死だろう。
そうこうしていたら厚い雲を抜け青空が目の前に広がる。くるりと身体を回転させ下を見れば地球にも似た大地が目下に広がる。
発達した街の様なものも遠くに見える、人は住んでいるようだがこの状況どうしたらいいの!?
少しずつ大地が近付いてきて流石に恐怖を覚える、神様の加護的な力で助かるって信じてるからね!!!頼むよネロ!!!
「いぃいいいいやぁあああああああ!!!!」
落下した先に森が広がっていて余りの恐怖に目を閉じた、嗚呼転生人生リスキルかぁ〜って思ってたのに痛みはなくゆっくりと速度が落ちて身体が浮上する。
「っ〜?」
そろーっと目を開けると頭上から光が刺していて私の周りには膜が入っている様な状態だった。
これはもしかして水の中にでも落ちたのかもしれない。早く上がらなきゃ。
そう思い身体を動かすと膜が弾け水圧が身体に掛かる、服を着たままで泳ぐ事など無かったから上がるのにも必死だ。
服が重い、息が、持たない。あと、もう少しなのに……また溺死なんて笑えないよ。
「ーーーー!!」
遠くから声が聞こえた、薄れゆく意識の中誰かが私を抱き寄せ水面に向かって泳いでくれてる。
「頑張れ!もう少しだ!」
「ゲホッ、ケホケホ……はぁ、はぁ」
「無事かい?」
「はい、ケホッ、ありがとう、ござい、ま、す」
息を整えきちんとお礼を言わなくてはと顔を見て呼吸が止まった。
嘘、嘘だ。金髪に緑の混ざった青の瞳。シュッとした切れ長な目が優しく微笑む。
RPGゲームSEVENの主人公
私の推しレオン様そっくりなイケメン
いやそれだけではない、確かにレオン様そっくりではあるが私が死ぬ原因になった舞台俳優 青井
つまり、これは私が見ることの出来なかった推しが推しを演じている状態が目の前にあるのだ。
そう、推しが目の前に、私を抱き抱えている。
「あ、や、ひ、あ、う、あああああ」
思考回路がショートして意識が途絶えた。
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