そして……

 そして……


私は皐月です。念願かなって、犬から人間になりました。昨日の夜に夢に出てきた女神様によると、私は今日、寝てしまうと犬に戻ってしまうそうです。けどこれで、お父さんやお母さんの手伝いができるぞーっと張り切っていたのですが何故か、

「皐月ちゃん、遊ぼ!」

「遊ぼうよ!」

と私の友達を名乗る、そして、私も彼女たちの事を友達だと認識している、水無月ちゃんと長月ちゃんが誘ってきます。お父さんもお母さんも、

「お手伝いはいいから行っておいで」

「そうじゃよ、儂はいつも通り書斎で小説を書いておるから、皐月は遊んでおいで」

「私の方も家事はちゃんとするから気にしないでね」

「う~~、分かったよでも帰ってきたらちゃんと手伝わせてね」

「分かったわ」

そうお母さんと約束して、遊びに出ました。そして3人でワイワイ言いながら、歩いていると、ドンと大きい人にぶつかられ、

「うっせーんだよ! ガキ!」

と言われ、私は恐怖しました。それだけではなく、周りの人はその人を怒ったりもしてくれません。確かに私たちは五月蠅かったのでしょう。でも私は押し倒され、尻餅もつきました。それなのに誰もこちらに目を向けませんでした。皆さん無視でした。すごく嫌な気分、気が沈んで、その後に噛みついてやればよかったと思いすごく悶々しました。その後、公園に着くと、

「お砂場で遊ぼう!」

と私は人が少ししかいない砂場を指さすと、二人とも、

「いいね」

「いいよ」

と言うので喜んで砂場に近づきました。しかし、

「ここは僕たちが使ってるんだよ!」

という3人が邪魔をしてきました。なので私は、

「ここはみんなの場所だよ。みんなで遊ぼうよ」

といい意見を言った気持になりながら反応を見ると、

「ヤダよ、向こう行けよバーカ」

と喧嘩になりかけたところにその子たちのお母さんが来て、

「何かってに人の使ってる砂場に入ってきているの出てって!」

と怒られて、沈んでいた気持ちがずんと深く沈み、3人でベンチに座って休憩することにしました。

「ひどいよね。なんで親が出てくるのさ」

と長月ちゃんが怒っています。そこ気持ちはもっともだと思い、私も頷きます。

「普通だったらあそこは自分の子供を怒るところだよね!」

と水無月ちゃんが起こっているのももっともだと私は思いました。そこで私たちはボケっとしていると、一匹の犬がやってきました。私にはその犬が、私が犬のときに友達だった文月ちゃんだとすぐにわかりました。

「わん、わん」

すると水無月ちゃんは犬を抱き上げ、

「そっかー君は私たちの味方かー。ありがとうね」

そうだ、文月ちゃんはずっと友達だった。本当にこのまま私だけ人間になって、いいのかな? そういう気持ちも持ち始めました。このまま人間になると友達の言葉が聞こえなくなる。それを知りました。それはとっても嫌だな、それに今日は嫌な人間ばかり出会う。もしかするとこれが人間の本質なのかな? そんなことを考えいると、

「どうしたの皐月ちゃん?」

と声をかけられて、

「ううん、何でもないよ」

と返すと、

「今日はもうヤなことばかりだから帰ろうか」

と帰る流れになり解散しました。そして私は家に帰ると、お母さんが、

「お帰り、どうだった楽しかった?」

と聞いてくれて、話せることがうれしくて私は思わず、

「うん、とっても! 友達がね、ワンちゃんをなでなでしてて私も触りたかったな~」

と嘘をついてしまいました。けど、

「そう、それはよかったわ~」

と言うお母さんの顔がとても嬉しくて、私は嘘を重ねました。お母さんは台所で私の嘘を聞いてくれていて、相槌を打ち、そして、

「皐月ちゃん、もうそろそろご飯だから、お爺ちゃん呼んできて~」

「お父さんだね、分かったよ」

と呼びに行きます。すると、お父さんが、ネットで犬を見ているのを見ました、

「儂も犬を飼うかのお、皐月にも遊び相手が必要じゃろて」

その後のご飯では皆で楽しくテレビを見て、楽しくちゃぶ台を囲みました。やっぱり人間はいいなと思ってしまうほど楽しかったです。

少し今日のことと友達の事を考えるとやっぱり眠りにつくことにしました。決して今日が嫌な日だったからではなく、人が嫌なわけではなく、私は犬のほうが良いと思ったからです。文月ちゃんと友達でいたいし、何かズルをしている気分になったのです。私は良い行いをして輪廻転生して人間になるのです。そして、私は布団に入ります。明日は犬に戻ってますように……。

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私の一日 月読雨月 @yaten666

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