幸福の尺度

はなのまつり

幸福の尺度


あなたの幸せってなんだろうか?


美味しい物を食べられる事だろうか?


多くの人々に讃えられる事だろうか?


沢山のお金を手に入れられる事だろうか?


人間はそれぞれ、性別、人種、生き方、環境、地域、国など、皆違う。


だからこそ、求めるモノの大きさや量もまた、それぞれ違う。


それは仕方ない事なのかも知れない。


けれど、昨今みられる人間の欲というものは、如何なものだろう。


今まで我々は、沢山のモノを手に入れた。


火を。


エネルギーを。


広域の移動手段を。


それをさらに進化させ、近代情報化社会を作りあげた。


そしてAIやネット世界という新たな次元さえ、生み出した。


そこからもたらされた力よって、我々の生活様式は大きく移り変わり、迅速じんそくなレスポンスと処理能力を、手軽に、そして自由に使えるようになった。


言わば、人間だけではなしえない、強大な武器ツールを手に入れてしまったワケだ。


これには際限さいげんがない。可能性は無限大で、人間が求めるモノを求めるまま、新たなものや革新的なモノが急速に、加速度的に、我々の処理能力を超えて生み出される。


とは言え資源は有限。この地球上にない、もしくはこの星系にない質量以上のものは生み出せない。


結果、速さについていけないモノは淘汰され、ついていけるモノだけが、さらなる高みへと昇りつめ、それを得る。


体のいい言葉を並べて


収奪しゅうだつ


強奪ごうだつ


簒奪さんだつする。


これでは人間ではなく、動物としての人ではないだろうか。


我々はホモサピエンス。


結局は食物連鎖と同じように、生物学上のヒトとしてでしか、弱肉強食、適者生存などという形でしか、生きてはいけないのだろうか。


我々はこれ以上何を求めるんだろうか。


この行きつく先に、何が待っているんだろうか。


人の際限ない欲望を、有無を言わず叶え続けるこの世界。


その先に得られるモノは果たして幸福なのだろうか。


次元を作り出すほどのものを手に入れたんだ。


その自然のことわりを超えて生きてはいけないのだろうか。


ヒト科、ヒト属、ヒト種としての人ではなく。


人と人との間を取り持つ、人間でいる事は不可能なのだろうか。


私には大切にしている言葉がある。


「我々は互いを思いやる事をやめた時、その瞬間、我々は人間性を失う」と。


我々は動物の人でもあり、理性と知識をたずさええた人間でもある。


今一度自身の尺度を見直して、皆が幸福であれるそれを、作り出す事は出来ないだろうか。


1人に成せる事はチッポケで、吹いて飛ぶようなものだ。


私もこうやって思いを書く事しか出来ない。


けれどそのチッポケな思いも、考えも、またその力も、


集まって、助け合って、活かし合って、大きな力になればと


私は願う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸福の尺度 はなのまつり @hanano_matsuri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ