第7話 アイナの農作業


いつものように

アイナはディープブルーに

忠実に働いていた。


最近のアイナの仕事は

農作を発達させることだった。


不器用なアイナは

芽をすぐダメにしがちだが

王のためなら頑張れた

ディープブルーと最近別行動な事が

気にかかったが

任された役割はしっかりこなしたかった


アイナ(新しい種や苗を信頼して任せて下さった。私はあの方の期待を裏切るわけにはいかない!)


アイナのしっぽがゆらゆらと

動き

成長している苗を傷つけないように

そっと手入れする


アイナ(爪をたてないように…爪を引っ込めて…そっと、そっと、不必要な葉を処分…)


畑の二列目から

外部から来た女性マルタ

がアイナを見ている


マルタは大きな村の

村長の娘で取引のために

にんじん村に来て長期滞在していた。

彼女は人間で異端的な力を持っている

家系による遺伝で。


彼女は着飾るよりも

シンプルな作業が大好きだった


アイナがしている農作業に

興味を示してから

アイナを観察しつつ手伝っている


マルタ「ねぇ、アイナさん」


アイナ「マルタさん、どうかしました?

そちらの苗の手入れは…」


マルタ「必要ない葉はとったわ。

アイナさんに聞きたいのだけれど…

ねぇ、何でそんなにゆっくり葉を省いてるのかしら?」


アイナは少し沈黙し

答えた


アイナ「私は戦闘には自信があります。

この爪も血に染まったこともあった。

苗を傷つけないように。丁寧に省いている」


マルタはアイナの

答えを聞いてアイナの爪は

そんなに鋭いのか?と思った



マルタ「……そう。

そんなに鋭い爪なのね。

獣人は大変ね。

でも効率的に。もっと、早い方が良いわ。

手袋をしたら?魔物の素材で

作ったのならあるけど」


アイナ「いいえ、必要ない。

私には。手の感覚が曖昧になるので農作業中は絶対使わない派です」


マルタは案外頑固なアイナを横目に

私が作業した方が絶対早いと思った


マルタ「…そっちも私がやるから。

…アイナさんは他の作業をして?

手伝ってる側が言うのもなんだけど、

その作業多分、向いてない。」


アイナは

ため息をついた。

私はこんな作業もこなせないのか

王に飽きられてしまわないか?と。


マルタは悪気はない

ただはっきり物をいう性格のようだ


マルタが綺麗な紺色の髪をなびかせて

一列目も作業し始めた


マルタ「任せて」


アイナは変わりに

種に魔法をかけて

組み合わせて改良する事にした


細かい作業全般はむいていないと

わかってはいるが

王が世界を変えるためには

まず食を豊かにと言っていた


少しでも王の力になりたいと

力を込めた


アイナの魔力は高い

属性も複数扱えた

地の力も扱えて良かった

戦闘以外で滅多に使わないけど。


そんな風に思った


アイナ(地の力で栄養度を高めて。

この種と種を混ぜ合わせ結晶に)


この日

アイナは集中し

トマトを開発した


後にトマト大会が

開催されるようになるとは

この時のアイナは

知らないのだった


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