第6話 悪夢(過去)と忠誠
はぁ はぁ はぁ
暗闇の中を
走る
激しい雨が
木の枝が阻んだ
血が流れ落ちる
アイナ(私があの方の右腕にならねば…右腕が裏切っているのだから…)
忠誠を誓いし王の元へ
阻むものを退けてひたすら走る
アイナ(ディープブルー様…)
あれが裏切っている事を伝えに。
行動には出ていないものの
あれの心はもうあの姫に傾いている
王の為に見張っていて正解だった
やはりあれは王より
光の姫へ傾いて
アイナ(はぁ、はぁ。苦しい。
王よ。…伝えたら私を右腕にして、下さいますか?私は応えます
貴方に真に忠実たるはこの、アイナだと…)
いくつもの森を抜けて
王の元へやっと辿り着いた
愛しき王の後ろ姿が垣間見えた
アイナ「あぁ……王よ、私の王よ…」
話しかけようとして
立ち止まる
王の隣にいる女は。
あれは。
自分にとって残酷な言葉をきいてしまった
ディープブルー「あれは光の姫に無自覚だが傾いている。
いずれ裏切る可能性があるな
…闇の聖女よ。凄まじい闇だな。
右腕の座に空きが出来たらそこに置いてやろうか?」
アイナ(王よ、、)
王の言葉は冗談なのか
知り得ることは出来ない
王の側を静かに離れ
雨を浴びながら
遠くで力なく座り込んだ
アイナ(あぁ、、
……意識が霞む…)
アイナ「……夢、ですか。
悲しい。昔の夢……もう過ぎ去ったこと。
異世界の全てはもはや関係ない。あれも
あの女も王の側にいない。
私には王さえいれば。それでよい。
王よ…何処までもただ忠誠を…」
アイナは遠い昔(異世界)の
悪夢を見ていた
気を引き締めて
剣を持ったアイナは
王を起こしにいく。
今は今なのだと。
変わらぬものもある
アイナの忠誠心だった。
アイナ(さぁ、今日も1日が始まる。
私の王を起こさねば)
忠誠を。
いつまでも。
アイナは今日も
愛しき王の為に働く。
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