7話 『危険な…』
「リアムくん、ついにパーティに所属するんだねぇ〜感慨深いねぇ〜」
マリアンヌが満足そうに何度もうなずいている。
マリアンヌは「そっかそっかぁ」と言いながら書類にスタンプを押している。
「これでいいかな?冒険者ウォッチも借りていいかな」
リアムは頷いてウォッチを腕から外してカウンターの上に置いた。
「ちょっと待っててね」
マリアンヌは笑顔でそういうとウォッチを奥に持っていった。
3分くらいで戻ってきて、リアムにウォッチを返した。
「おっけい、これで正式にパーティメンバーになったよ」
「ありがとうございます!」
リアムはカチャカチャと音を立て時計を自分の右腕につけた。
ダッシュでギルドとおさらばして、アイザックが指定した酒場へと向かう。
チリンチリン♪
ドアを開けたとき、そんな音が聞こえた。
「リアム!こっちこっち」
アイザックが手を振っている。どうやら個室のようだ。
リアムは一礼してそちらへ向かう。
ドアを開けると、そこにはオドとメアリーもいた。
「手続きは済ませてきたの?」
「うん。バッチリさ」
「一安心ね」
メアリーは笑顔で言った。
「それじゃ、本題に入るぜ。本当はパーティメンバー全員がいるところで話したいんだがな。今週の予定のことだ」
アイザックの言葉にオドが続ける。
「パーティメンバー全員で受ける予定の任務があってね、君もついてきて欲しいんだ。報酬はたんまりある。ええと…確か、1人100万ゴールド分は貰える」
「ええ!?」
「国から依頼される任務だ。本来国選任務って受けるのが義務だから報酬安いんだけど、今回のは別物でね。と、いうのも」
「黒騎士団」
メアリーが続けた。
黒騎士団。それは大昔、世界を支配していたという黒騎士が率いる、軍隊だ。
既に黒騎士団に落とされた国も多く、この国も危険にさらされている。
黒騎士の正体は、長い間調査されてきたが、500年以上前からその名で活動しているため、人間ではないとされている。
「黒騎士団、がどうしたの?」
「黒騎士団の拠点を。パルデラ近郊にある拠点の調査を依頼されたわ。ニュートンズ指名でね。まあ意図は…」
「死んでもそんなに影響のない弱くない冒険者パーティってことだろうな」
アイザックが言った。
「でもオスカーがいるじゃないか」
「オスカーはどう考えても国に属するような人間じゃないし」
リアムの疑問にオドが答え、他の2人もそれに同意する。
「話を続けるね。リアム、君も来るかい?」
「行くに決まっているでしょう?どうして?」
「いや、黒騎士団の拠点だよ?どう考えても危険すぎる」
オドの言葉にメアリーも同意した。
「嫌な人は来なくていいよってことにしたの」
「でも国選任務だろう?」
「アイザックが勝手に受けちゃったの…」
「金に目が眩んで。うん」
アイザックが上を向いた。
「知らねえや」
「リアムは受けてくれる?後悔はしない?」
「もちろん!」
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