第12話 勇者と最高の奴隷達~勇哉side
※女子に対しての虐待また暴力表現があります。
※苦手な方は自主回避でお願いいたします<(_ _)>
※もし表現を変えてほしいとご要望を頂ければ改善いたしますので、ご感想にてお受けいたします。
──────────────────
~遊井 勇哉side
僕は今、猛烈にイラついている。
理由は幼馴染の女共が離れてしまったことにある。
どいつもこいつも、僕を無視して一切の連絡を拒否してきやがった。
周囲の目もあるから無理矢理呼び出すわけにもいかない。
ったく、糞女共が……僕は『遊井 勇哉』だぞ!
常にトップに立ち頂点に位置する男なんだ。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群で、まさに非の打ち所がない完璧超人。
それが、僕という存在だ。
おまけに両親は大病院を経営し、お金に困ったことはないし、欲しい物は必ず手に入れていた。
クラス、いや学年のトップカーストに君臨し、多くの男仲間や美人の女子生徒に囲まれている。
誰も僕には逆らうことはできない。僕が超エリートだからだ。
現に僕に付きまとう女子達も、少し甘い言葉で囁けば簡単に股を開きいつでもヤレる。
楽しいオモチャさ。
そんな僕を周囲の輩は、勝手に『勇者』と呼び英雄扱いしてくる。
ふざけた仇名でイラっとしたが、所詮は負け組の愚民どもの言うことだと思い聞き流した。
まぁ、連中が羨望するのも無理はない。
それを象徴する存在も常に近くにいたからだ。
愛紗、麗花、詩音。
僕の幼馴染達だ。
あいつらが僕の傍にいる、ただそれだけでも注目度が一気に高まる。
いつの間にか『三美神』と呼ばれる幼馴染達に、『勇者』として敬われる超エリートの僕。
負け組どもからすれば、僕らの存在は眩しく尊すぎてしまうのだろう。
確かに、あいつらは優秀だ。
――いや、最高の奴隷達と言える。
愛紗は僕の言うことを何でも聞き、なんでもやらせた。
だが一度もエッチはさせてくれない。そこだけは激しく拒んできやがった。
頭にきたので誰もいない所に呼び出して、ストレス解消と称して腹をパンチしたりキックをお見舞いしてやる。
顔は絶対に殴らない。あの綺麗な顔も僕のステータスの一つだからね。
そして中二の頃、僕の初体験相手にでっち上げ、さらに僕は周囲から一目置かれる存在になったんだ。
麗花は三人の中で一番頭が良かったから、僕の勉強や運動スケジュールなど管理させた。
小学校高学年から発育のいい身体してきたので、よくおっぱい揉んで泣かしてやったけどね。
だがこの女は頭が良すぎた。
中学に入り自ら率先してクラス委員長や生徒会長に手上げし、周囲の支持を集め注目を得ることで、僕への標的を回避させてきた。
麗花を危険視した僕はこれまで通り、スケジュール管理だけさせるようにする。
あいつだけなら僕からいつでも抜け出せたかもしれないが、愛紗と詩音が心配で離れるに離れられないようだったな。
そう仕向けたのは僕だけどね。
詩音、こいつが三人の中で一番使えなかった。
何かしたらすぐ、わんわん泣き出すし、大人達に余計なことをチクってきやがる。
しかし、綺麗に整ったハーフ顔は魅力で、傍に置くだけでも僕のプラスにはなっていたのも事実だ。
だから、ギャルに格好をさせ、もっぱらパシリに使ってやった。
んで、高校で同じクラスになったので、僕のセフレとしてでっち上る。
さらに誰とでもヤレるビッチとすることで、僕のステータスの向上化を図ったんだが……。
それが初めての失敗だったかもしれない。
一緒にツルんでいる男連中が、僕に隠れて詩音にしつこくワンチャンをねだっていやがったんだ。
そんなこともあり、今まで何も言わなかった愛紗と麗花が、初めて猛反発してきやがった。
流石の僕も表向きだけでも反省を見せる。
別に悪かったと微塵も思っちゃいない。
今、こいつらと揉めていることが周囲に知られては、僕のステータスに傷がつくと考えたからだ。
そして、ほとぼりが冷めた頃、事件が起こる。
僕は他校の不良に絡まれてしまう。
正確には、一緒に歩いていた愛紗だ。
僕の運動神経を駆使すれば、この程度の雑魚など撃退できるかもしれない。
けど愛紗のために体を張るつもりはなかった。
ろくにヤラせてくれない奴のために、そこまでする義理はないと思った。
まぁ、殴られ慣れているから多少痛い思いしても平気だろう。
軽く考え、僕は愛紗を見捨てた。
けどそれが、もう一つの失敗だ。
――神西 幸之。
あの負け組の雑魚クズがしゃしゃり出て、愛紗を助けたことから、僕の歯車が大きく狂いだした。
幼馴染三人が僕から離れて行くきっかけを作ったんだ。
あれからどうなったのか、愛紗に何度か連絡するも応答はない。
麗花も同様だ。
詩音は着拒否やブロックをしているようでスマホには出なかったが、同じクラスでまだグループにいたので、こっそりと放課後に誰もいない校舎裏に呼び出した。
どういうことか、問い詰めてやる。
しかし……。
「――もう、アイちゃんもレイちゃんも、ユウには関わらないよ……あたしも同じ」
「なんだってぇ! どういうつもりだ、おい!」
「自分の胸に訊いてみれば? 昨日、アイちゃんを見捨てて逃げて……これまでだって、あんた、あたし達に何してきたの?」
「うっせーっ! 金髪ビッチがぁ! 僕を誰だと思ってやがる!? テメェの悪評、もっと流してやんぞぉ!」
「いいよ、流したって……あたし、ビッチじゃないしぃ。ユウの傍にいたほうが、自分の身が危なくなるって、とっくの前に思っているんだから――」
「詩音、テメェ!」
「大声出すよ。あんたの親と違って先生に知られたら、ユウだってただじゃすまないんじゃない? 今ならすぐネットに流して拡散させるよ~」
言いながら、詩音はスマホを見せてくる。
僕との会話が録音されているじゃないか……?
「お、お前……まさか、最初から僕を脅すために、呼び出されるのを待っていたのか!?」
「そうだよ。万が一のレイちゃんからの案でね……ユウなんてキレやすいんだから、あっという間にボロが出るしぃ~♪」
「詩音ッ!」
「もう近づかないで! これ流されたくなかったら、二度とあたし達に近づかないでぇ! 二度とだよぉ!」
詩音如きが舐めやがって……そのスマホを奪えばなんとでもなるじゃねぇか!?
僕はズボンのポケットに手を入れた。
――カッターナイフが入っている。
これで、この女を脅してスマホを奪ってやるぞ!
そう思い踏み込もうした。
が、
「うぐ……ひ、火野?」
火野 良毅だ……神西の友人。
奴が遠くの角で、僕達の様子を伺っていた。
火野はやばい――!
中学が一緒だったから、あいつの凄さと恐ろしさは良く知っている。
僕は何もできず、その場で立ち尽くている中、詩音が隙を見て駆け出し逃げられた。
……完全にしてやられた。
あのスマホの録音データーがある限り、僕はあの女達に近づくことはできない。
周囲にバレたら、僕の品格が疑われてしまう。
これまで長年築き上げた地位が失われてしまうかもしれない。
しばらく様子を見るしか術はない……そうせざるを得なかった。
それから、僕の生活が一変した。
毎朝、モーニングコールさせていた愛紗から連絡が一切来なくなった。
おかげで頻繁に遅刻するようになっている。
麗花のスケジュール表や予習課題がないので、何をしていいかわからない。
勉強にも手が付けられず自堕落な生活となってきている。
おまけに同じクラスの詩音が離れたことで、必然的に僕との間のトラブルを仲間達に問い詰められる始末。
その場では上手く誤魔化したものの、このままでは僕の完璧超人としての人生プランが狂ってしまうのではと危惧している。
詩音に弱味を握られ、今の僕は確かに幼馴染達には手を出せない。
しかし、神西なら別だ――。
火野にさえ注意すれば、まだ修正できるかもしれない。
あのお人好しそうな間抜け男なら攻略も容易いだろう……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます