第三十二話

「じゃあ次は解の番だねー!」


「俺は前と変わらんから変わり映えしないけど……」


 俺はステータスを出す。




【名前】南條 解

[レベル]16

[職業]鎖使い

[スキル]チェイン

【天啓】キーメイカー☆1、鑑定(初級)☆2、幸運☆1

【天啓力】505

[HP]95(122)

[MP]46

[筋力]75(97)

[敏捷]63

[魔力]42

[運]75


 “明けゆく森”のダンジョンの後、俺の〈天啓〉のキーメイカーはなんと☆1になった。

 ルキに聞くと「合成を使った事でランクがあがったんじゃろ?」との事。

 〈天啓〉も成長する事を知り、俺はこれからの変化がとても楽しみになった。


「後はルキなんだけど……」


 俺が聞くと、ルキにもステータスはあるらしく、見せても別に構わんぞと言ったので見せてもらう事にした。




【名前】■■■◾■

[レベル]1

[職業]■■■■(元)

[スキル]闇魔法(初級)、光魔法(初級)、収納魔法(初級)

【称号】■■■

[HP]60(120)

[MP]95(190)

[筋力]52 (104)

[敏捷]50 (100)

[魔力]120 (240)

[運]1(2)



 なぁに、これぇ……?

 本当になんだこのステータスとスキルは、職業によるステータスの増加量も凄いし、何よりレベル1のステータスじゃないぞこれは。

 【称号】ってのも意味わからん。つかモザイクだらけだし。

 イヤラシイロリっ子だな!


「うわぉ……」

「色々と突っ込みどころがあるが、まず【称号】って何だ?」


「称号は神にすら認められた者に与えられるものじゃ、まあそれが良いものか悪いものかは与えられた人物の行いによるがの」


「へぇー! そしたらルキちゃんって神様にも認められたってことなんだね!」


「まあ……そうじゃの……」


 何故かルキは一瞬寂しそうな顔をする。

 俺は気になりながらも次の質問をする。


「ステータスとスキルは置いておくとして……ルキには〈天啓〉は無いのか?」


「〈天啓〉は人に与えられし希望じゃ、人でないものには与えられん」


 そうだったのか、てかなんかめちゃくちゃ重要な情報がさっきからポンポン出てくるな……。


「だから儂に〈天啓〉のオーブは使えん。さっきの風神は中々に強力な筈じゃ、使えるなら魔力の多い儂が使うべきだとは思うがそれは出来んからの、解と楓を比べてみて魔力の多い方に風神の〈天啓〉を授けたわけじゃ」


「〈天啓〉と魔力って関係あるのか?」


 俺は気になって聞いてみる。


「確かに〈天啓〉は〈天啓力〉を使って奇跡を起こすのじゃから、あまり魔力は関係ないと思うじゃろうが、風神のような〈天啓〉は魔力が多い方が恩恵は大きい、と儂は思っておる。まあ簡単に言うと魔力が高いほうが適性があるって感じじゃの」


 ああ、それで間違って俺に使用しないようルキが預かってたわけね。

 あれ、なんか悲しい気持ちに……。

 そんな事を思いながら話し合いが終わり、俺達は防具を買うべくネェガさんのお店に行く。



……


……………


…………………………





「おう、お前ら生きてたのか! 久しぶりじゃねぇーか!」


 ああ、前回から1週間以上たってるのか。こっちでは結構日が進んだんだろうな。


「こんにちはー!」

「ええ、おかげさまで。こっちの小さいのは新しい仲間のルキって言います、めちゃくちゃ有望株です」


「へぇ、こんなちっちゃいのがなぁ。人は見かけによらないな!」


 ネェガさんは目を丸くして驚く。


「小さいとは失礼な! 儂は身体も心も立派な大人じゃぞ!」


「はっはっは! 悪い悪い!」


 ネェガさんは笑いながらあしらう。

 まあ普通は信じれないよな、ルキが元々はあんなにワガママボディのエッチなお姉さんだなんて、知ったらネェガさんもあのワガママボディの魅力に墜ちてしまうだろう。


「んで今日は何しに来たんだ? そういえばあの“ローヤ○さわやか”反響が凄かったぞ! またあるなら売ってくれよ」


 ネェガさんは嬉しそうに話す。


「今日も持ってきてますよ、あとからお売りします。で今日の目的なんですが、俺に合う防具を見繕ってほしいんです」


「……なるほどな。そうだなぁ、お前に合う防具は、っと」


 そう言いネェガさんは店の奥に消える、5分程待っていると何点か防具を持って帰って来た。


「この中なら合う防具もある筈だが……」


 ネェガさんが狭いカウンターの上に防具を置き始める。

 俺は鑑定を使い商品を確かめる。


・レザーアーマー

・ブルーメタルアーマー

・ライトメタルアーマー


 3点か……どれがいいのか。

 そう考えてるとネェガさんが話し始める。


「右からレザーアーマー、ブルーメタルアーマー、ライトメタルアーマーだ。レザーアーマーは軽くて動きやすいが防御面はそこまで高くない。ブルーメタルアーマーは少し重いが防御力が高く、ブルーメタルの特性で少しずつ体力が回復する特殊能力付きだ。ライトメタルアーマーは今の2つの中間ってとこだな、もちろん体力の回復機能は無いぞ」


 いやブルーメタルアーマー1択っしょ、なんか厨二心揺さぶられるな。

 とりあえず物は試しとネェガさんに装着の仕方を教えてもらいながらアーマーをつける、レベルと〈天啓力〉か上がったおかげか、思ったより重くはなく、つけたら逆に何だか体が楽になったような気もした。これはいい!


「おー、似合うね解!」


 前のボディプロテクターと防刃ベストの時と違い、楓の評判も良い。


「ブルーメタルアーマーが欲しいです、これがいいです」


 俺は即答する。


「お目が高いな。けどこれは中々高いぞ?」


「えっ……いくらなんですか?」


「20000ディルだ」


 20000ディル!?

 と言うことは20万円くらいか!? いやでも20万円でこんなファンタジーチックな装備を買えるなら安いんじゃ……。


「欲しいんですけど今“ローヤ○さわやか”2箱しかなくて、前に売った分と合わせてもギリギリ20000ディルに届かないくらいなんです」


「ああ、そうなのか。まあ良いだろ、それなら19000ディルにまけてやるよ。俺も世話になってるしな」


 ネェガさんは、はっはっは! と笑い、まけてくれた。


「ありがとうございます! また“ローヤ○さわやか”持ってきますんで!」


「おう、頼むぞ!」


 そう言ってお金と“ローヤ○さわやか”2箱を渡し、ブルーメタルアーマーを貰う。


 俺は新しい防具を手に入れた。


因みにこのまますぐにダンジョンに潜るからブルーメタルアーマーは付けたままだ。


(早く次のダンジョンに行きてぇ!)

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