第十二話
「ねえ解、私達最近めちゃくちゃふぁんたじーしてない?」カチャカチャ
ズダダダダダ
ウゥワ!ウゥワ!デーデッデレーーデェン
「ああ楓、俺ちょっと今ふぁんたじー酔いしてるかも」カチャカチャカチャ
ドン!
アァ!デーデッデレーーデェン
「それそれ、私も今ふぁんたじー酔いしてる。あ! 黄金銃は無しって言ったじゃん!」
ネェガさんの道具屋から戻ってきて、あまりのファンタジーさに俺達はしばらく考える事をやめた。
何故か無性にやりたくなったFPSのレトロゲーを物置から取り出してきて二人で現実逃避をする。
……
……………
……………………………
俺達はひとしきり遊んだ後、現実に戻って話を再開する。
「いいか楓、何より金だ、俺達はまず何よりディル集めをしなくちゃならねぇ!」
「めちゃくちゃ現実的だね! けど確かにそうだね、新しいダンジョンに潜ってモンスターを倒してお金稼ごう、これからが楽しみー!」
「ああ……そうだ。俺達はようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠いダンジョン攻略坂をよ…」
「ちょっと解、なんか物語が終わるみたいな言い方やめてよ」
とはいったものの、Amaz○nで注文した装備が届くまでは動けない事もあり後2日程は何も出来ない状態が続く。
「〈天啓力〉も余裕があるし次は鍵を複数作って選べるようにしよう。Amaz○nから装備が届き次第また集まろう。」
「分かった! あ、そういえば解のステータスどうだった?なんか私〈天啓紙〉の内容がステータスに上書きされたみたいになったんだけど……」
楓はステータスを俺に見せてくる。
【名前】佐藤楓
[レベル]2
[職業]なし
【天啓】治癒師☆4
【天啓力】859
[HP]36
[MP]12
[筋力]10
[敏捷]18
[魔力]18
[運]16
!?
なんか楓のステータス、レベルの割に俺より優遇されてない?
運の値は大分俺の方が高いけど…俺って運だけマンなのか?
何これ、普通に辛い……もうマヂ無理……ゴー○デンアイしょ……。
「解? おーーい、どしたのぼーっとして?」
楓が俺の顔をのぞき込んでくる。
「んあ、ああ……俺も〈天啓紙〉の内容がステータスと混ざったよ。てか楓さんステータス高くない?」
楓に俺のステータスを見せる。
「ほんとだ、私の方がステータス高めだね。これってやっぱり〈天啓力〉のおかげなのかな?」
「分からん……だけどネットの情報見てると〈天啓〉を得てから身体能力が上がったって書き込みをたくさん見るし、そうなんだろうなとは思ってる」
俺のステータスが頼りないって事以外は何も問題がない、むしろ楓の方が強いってなると安全性が増すし俺も安心出来る。
「てかそれとは別にレベルと職業が追加されてるけどこれってどうなんだろうね、レベルは解が4で私が2。解がスライムを倒してくれた時に一緒に〈天啓力〉は上がったけど、レベルは自分でモンスターを倒さないと上がらないのかな?」
「これを見る限りそうみたいだな、楓のレベル2は多分ボススライムにビンタを喰らわせた時上がったんだろうな。……楓はこの先モンスターを倒す覚悟はあるか?」
俺は心配になり楓に聞いてみる。
「え? 普通に倒すよ? だって私の方がステータス良いんだから解より前に出なくちゃだめでしょ?」
楓はニヤけた悪戯な顔で俺を見てくる。
それが不覚にも可愛いと思ってしまったのは彼女には内緒だ。
「おいおい、調子に乗るんじゃないよ楓さん。俺も負けてられませんな!」
「絶対私が常に先を行くからね! 解はベジ○タさんポジだよ!」
おいなんでや、ベジ○タ悪くないやろ!
ふざけやがってぇ……地球の女ぁ……!
「そうそう、あとこの職業ってやっぱりあの?」
俺が渾身のベジ○タモノマネをしようとした瞬間、楓がさらっと話を変えてくる。
「そうだよな、どこかで自分の職業を決めれる場所があるのかも知れないな。今度ネェガさんの店に魔石を持って行くついでに聞いてみよう。」
そうして俺達は話し合いを終え、解散する。
ベジ○タのモノマネはまた次の機会にとっておこう。
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