第5話
俺達はその後、洞窟の道を30分程進んだ。
幸いにも洞窟は一本道で迷う心配は無かった、途中スライムが1匹ずつ現れるも難なく倒すことが出来、倒した数は最初に倒したスライムと合わせて6体になった。
ここで分かったことだが、スライムを倒したからといって一律で〈天啓力〉が増えるわけではなかった。
〈天啓力〉が2上がる事もあれば1上がるという事もある、0はまだ無いが運が悪かったらそういう事もあるのかもしれない。
「ねぇ解、この洞窟どこまで続いてるのかなぁ?」
楓が不安げに聞いてきた。
「どうなんだろうな……まあここから出れないって事はないだろ」
「そうだよね……出れるよね」
正直出れる保証なんてない、楓を心配させない為の言葉だったが俺自身、めちゃくちゃ不安に感じている。
俺達二人の口数が少なくなってきた頃、洞窟の道の先におぼろげに光る扉を見つける。
「おい楓! 扉があるぞ!」
「ほんとだ! 出口だといいね!」
俺達は駆け足で扉まで進む。
近くまで来てわかったがこの扉結構でかい、両開きの作りで色は全体的に汚れたような赤色、そして洞窟の通路いっぱいに扉がはめ込まれている。
「なんか物々しい感じがしない?」
楓は扉を見ながら俺に話しかける。
「この雰囲気……ゲームとかだと扉の奥にボスがいるっていうのが定番だな……」
「だよね……中に入る?」
「うーーーーーん」
ここにいても結局時間だけが過ぎていくだけだし、怖いけど勇気を振り絞って入ってみるか……。
「入ろう、何があるか分からないから楓はちゃんと俺の後ろにいてくれ……」
俺はそーっと扉に触れゆっくり押して見る。
(んんっ? 結構重いな……)
力を込めるとズズズッ……と音を立て扉が開く。
すかさず中を確かめると、そこには20㎡程の広さの部屋があり、壁には松明の炎がユラユラと揺れている。
部屋の中は洞窟の道より大分明るい。
次に俺は部屋の中心に動くものを確認する。
そこには3匹のスライムがいた。
「あれがボスって事かな?」
楓もスライムを確認したみたいで後ろからそんな声が聞こえた。
「多分な……よし、さっさと倒そう」
俺はスライムに向かって歩き出した。
「えっ、スライム3匹いるよ? 大丈夫かな?」
「スライムなんて攻撃してこないし、1匹でも3匹でも大して変わらないだろ?」
俺はスタスタと近づきスライムの前に立つ。
この時俺は計6体のスライムを簡単に倒し〈天啓力〉を上げれた事で正直気が大きくなっていた。
いつもならもっと慎重に行動する筈なのに……。
「あれ……なんかさっきのスライムと色が違……」
3匹の
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