第46話 バスに爆弾はない
みんくたちは、バスに仕掛けられているであろう爆弾を、
とうとう、爆発予告地点である「工場前バス停」が迫ってきた。
このままではバスが爆発してしまう。
みんくたちは追い詰められた。
「……おそらくこのバスには爆弾は仕掛けられていないのでしょう。
たぶん、別の場所にあります」
「別の場所?」
「バス停に、爆弾が仕掛けられているかと」
「ええっ!?」
「もしバスに爆弾を仕掛けてしまえば、プログラミングで
爆弾バグを簡単に取り除けてしまいます。
それを防ぐには、バス停に仕掛けるのが一番のはずです」
「そうきたか」
さくりは冷静に反応する。
「ば、ば、バス停に爆弾しかけるなんて!
ど、ど、どうしよう!?」
みんくは、目をぐるぐるさせてパニックになった。
「落ち着いてください!
……まだ手はありますよ。みんくさん」
「ど、どうするの」
「耳を貸してください」
アノミーは、みんくの耳元でささやいた。
これからつぶやく作戦を、偽運転手に気づかれてはいけない。
「爆弾ばかりに気を取られるからいけないのです。
バス停にたどりつくと爆発するんですよね。
ということは、このバスを、バス停に到着させなければよいのです」
「なるほど」
「もうわかりますね」
みんくは、バスの車内をタッチし、プログラミング画面を表示させた。
プログラムは下記のとおり(長すぎるので途中を中略した)
-------------------------------
■バスプログラム
バスとは
→乗客を乗せて運ぶ車である。
→公共交通機関である。
→決まった時間で道路を走る。
「バスプログラム」を、「遠久野駅発 遠久野工場着バス」に適用する。
以降、「遠久野駅発 遠久野工場着バス」を「バスA」と呼称する。
■バスA
幅:〇〇メートル
長さ:〇〇メートル
重さ:10トン
最高時速:100km
~中略~
■バスAの動作
前に走る
右に曲がる
左に曲がる
バックする
スピードを上げる
スピードを落とす
停車する
ドアを開ける
ライトを点灯する
ライトを消灯する
運賃を計算する
整理券を発行する
■バスAのリアルタイム情報
現在時速:20km
残り燃料:あと12時間でなくなる
~ 以下プログラムが続くが、表示を省略する ~
-------------------------------
上記のプログラムをいじれば、バスを止めることができる。
そしてアノミーはヒントを告げる。
「みんくさん。追加したり直したりするばかりがプログラムではないのです。
時には……プログラムを削ることも重要です。
それでもダメなら、いろんな角度からプログラムを検証して直していきましょう」
バスのプログラムから何かを削らなければならない。
それでもダメならいろんな角度から検証して直す。
みんくは考え、そして実行した。
つづく
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