第45話 バス爆発を阻止せよ

バスに乗ってて「バス停にたどりつく前に爆弾を解除しろ」と言われたら、

あなたならどう思うだろうか。


この作品の主人公たちは、今まさにそういう状況になっていた。


「も、もしかしてバスに爆弾がしかけられているの?」


「ふふふ……せいぜいあがくことだな」


偽バス運転手は、不気味な笑みを浮かべ、みんくたちを見下した。


「くっ……。みんく! プログラミングで爆弾をとりのぞこう。

 たぶんこのバスのプログラムを解析かいせきすれば、

 爆弾が仕掛けられているバグを見つけられるはず!」


さくりにそう言われ、みんくはプログラミングを開始することにした。

バスの車内をタッチする。

ぶわん、とプログラミング画面があらわれる。


そこには、バス用のプログラムが表示されている。


「バスとは」から始まり、「バスのタイヤ」とか「バスの窓」とか「停車ボタン」とか「バスの運賃」とか細かなプログラムがいっぱいずらーっと表示されている。


長い、長い、長い。

バスのプログラムが長すぎる。

なかなか爆弾のバグは見つからない。見つけられそうにない。


長すぎるプログラムに、みんくは、だんだん学校の教科書を読まされているような気分になり、絶望しだした。


こんなのじゃ、爆弾を見つけられないよっ!

泣きそうになる。


「どうしよう、さくり。アノミー。

 プログラムが長すぎてわけわかんないよ……」


「みんくさん。おちついて。

 検索機能をつかいましょう。

 長ーいプログラムをぜんぶ見るのは大変です。

 検索ワード『爆弾』とかでさがしましょう」


アノミーはいたって冷静に話す。


「そうだった! あわててて、検索機能のこと忘れてたよ」


長すぎるプログラムは検索しないといけない。

爆弾を仕掛けられてると聞いて気が動転し、

そういうことをすっかり忘れてた。


プログラミング画面に検索欄を表示させ、

検索欄にキーワードを入れる。「爆弾」と。


「あれ……? 爆弾のプログラムがヒットしない」


「おかしいですね。キーワードを変えてみましょう」


「『爆発』とか『どかーん!』とか」


「『炸裂弾』とか『核爆』かもしれない。

 『ボム』でも検索してみよう」


みんくやさくりは次々とキーワードを考えては検索するが

どれもヒットしない。


いったいどういうことだろう?

このバスには爆発する爆弾が仕掛けられていないのだろうか?

誰もがあやしく感じた。


みんくたちを見て、偽運転手はハッハッハと高笑いした。


「このバスに爆弾が仕掛けられてると思ったのか?

 バカが……。でも確実に爆発はするんだぜ。

 俺はウソはついていない」


この人はいったい何が言いたいんだろう? みんくはそう思ったが

冷静に考えると、このセリフの内容からして、バスの中に爆弾がないように思える。

いったい、爆弾はどこに……。誰もわからなかった。


そして無情にも、次のバス停のアナウンスがなされる。


「次は工場前、工場前」


みんくたちは青ざめた。


「まずい。もう時間がない!」


はたして、工場前のバス停につくまでに、爆発を回避できるだろうか。



つづく

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