第22話 つぎの目的
みんくは、ケルベロスをおとなしくさせるため、
プログラミングによって、ケルベロスのプログラムを修正した。
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■犬プログラム
犬とは
( 長いので省略 )
「茜さくりの家の犬」を、以降「ケルベロス」と呼称する。
もし、ケルベロスに人が近づいた場合
→もし、茜さくりである場合
→ケルベロスはおとなしくなる。
→もし、円花みんく、または、アノミーである場合
→ケルベロスはおとなしくなる。
→もし、どれでもない場合
→ケルベロスは警戒モードになる。
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「よし! これでOK! 実行!」
みんくは画面をタッチし、プログラムを実行した。
すると、さっきまで、ガルルと威嚇してたケルベロスは、
しゅんとおとなしくなった。
地面に座りこんで、舌を出しながら、ただこちらを見てるだけだ。
「わぁ、ほんとうにおとなしくなった」
「でも、わたしたちだけ3人ですよね。
このケルベロスがおとなしくなるの」
「そうだよ。私たち以外には、ガルルとほえるんだから」
「おとなしくなると、かわいい普通の犬ですね」
「これで、さくりの家に出入りしやすくなるね。
よかったよかった。
ところで、アノミー。
これからのことなんだけど……」
ケルベロスを手なづけた(?)みんくは、
今後のことを、アノミーに相談する。
「はい」
「近所のバグを直していくんだよね?
次はどこに行けばいいの?」
「そうですね……。
マネキンの工場にいきましょう」
「そこ、だいぶ遠いよ?」
「この世界で安全にバグを直していくには、
不審に動くマネキンを作りだしている工場を、
まずどうにかしたほうがいいと思いました。
道のりは長いですが、効果は大きいはずです」
「ふーん。アノミーがそう言うなら……。
マネキン工場に行こうか」
「まて、みんく。ボクも一緒に行く。
みんくだけじゃ、危険だから……」
「さくり、一緒に行ってくれるの?
うれしい……じゃあ一緒に来てくれる?」
みんくと、さくりは、おたがいに手をとりあった。
「みなさん。まず、マネキン工場へは
電車でいかないといけないほど、遠い場所にあります。
まずは駅まで足をはこぶ必要があります」
アノミーが次の目的地を説明する。
工場へ行くには、まず電車で、そのまえに駅まで行かないといけない、と。
「駅への道なんておぼえてないよ……」
みんくは不安な顔になった。
「そうだね。学校と自宅と通学路しか、
基本的に知らないんだし、ボクたちは」
「そうですね……。
私も駅の場所まではわかりません。
公園の付近に案内板があるので、
そこを見ましょう」
アノミーの提案に、みんくとさくりはうなずく。
公園で案内板を見て、駅の場所を確認し、
駅に行き、電車に乗り、工場へ行く。
結局のところ、工場に行くまでに、
いろいろな場所を経由しなければいけないようだった。
つづく
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