第6話 24時間のメッセージ
間食すると、夕食が食べられないので、みんくは我慢することにした。
プログラミングで頭をよく使ったせいか、
普通にゲームしてるときより、お腹が空いたような気分になってしまっていた。
「17時~18時の時報だけではつまらないので、16時の時報も作っちゃおう」
みんくは、空腹を忘れて、パソコンの画面に向きなおった。
17時~18時の時報のもし文を真似すればいいんだよね?
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"いまの時間は" 現在の時刻 "です"
もし現在の時刻が16時~17時の場合
→ "中途半端な時間だね!"
もし現在の時刻が17時~18時の間の場合
→ "夕食の時間です。きょうの夕食は何かな?"
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みんくは、プログラムを書き直し、実行した。
「いまの時間は16時45分です
中途半端な時間だね!」
と表示された。
みんくの狙いどおりに表示され、少しだけ自分の成長を感じた。
「よし!」
調子に乗ったみんくは、他の時刻にもメッセージを設定していく。
「いまの時間は19時です
お風呂には入った?」
「いまの時間は20時です
宿題は終わった?」
「いまの時間は21時です
そろそろ寝ないとね!」
「いまの時間は3時です
寝ないと幽霊が来ちゃうよ」
しかしここで問題が発生した。
24時間分のメッセージを用意するのは、かなり疲れる作業だった。
どんなメッセージを書いていいかわからない時間帯もたびたび出てくる。
(14時とか11時とか22時とか……)
みんくは、だんだん飽きてきて、
夜の4時くらいまで設定したところで、やめてしまうのだった。
しかも、この時報プログラム、いちいち実行ボタンを押さないと表示されない。
わざわざ夜3時に起きて、パソコンを起動させて、実行ボタンを押さないと、
夜3時の時報は表示されない。
みんくは子供なので夜3時に起きることは、あんまりない。トイレくらいだ。
プログラムの内容をだいたい理解できても、実行できない、メッセージが思い浮かばないのでは、あまり意味がない。みんくは疲れた様子でため息をついた。
「あーもう。こんなことばかりしてたら、ゲームなんて作れないよぉ……」
みんくは、なかなかゲームが作れないことに、不満をつのらせた。
パソコン君に話しかける。
「ねぇ、何かゲームっぽいもの作れないの? だめー?」
みんくは、手をぱたぱたと動かしながら、まんまるい目で、パソコンに話しかけた。
「そんなに言うのなら、それっぽいものを作らせてあげましょう」
パソコン君はやれやれと言った様子で、みんくに反応する。
みんくの目が輝いた。
「早く早く!」
「落ち着いてください。こほん……。
それでは、あなたに、教えてあげましょう。
よく聞いてください」
つづく
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