第2話 プログラミングは難しい
みんくは、パソコンに向き合った。
……。
ずっと無言のみんく。
3分くらい経過したころ、ついにあることに気づく。
「プログラミングって、どうやって始めるんだっけ?」
みんくはプログラミングの始め方をよくわかっていなかった。
ただパソコンとにらめっこばかりしている。
もちろん、そんなんで自動的に始まるわけじゃない。
どうしよう。このままじゃ、ゲームを作ることができない。
みんくは考えた。
そうだ。お母さんの本棚を探してみよう。
本棚には、プログラミング関係の本がいっぱいあったはず。
そろり、そろり、とお母さんの部屋にこっそり侵入する。
勝手に入ったことがバレると、怒られるからだ。
幸いなことに、お母さんはいない。本棚を見放題だ。
本棚をじっと見た。難しそうな本がいっぱい並んでいる。
なんだか、カタカナや英語のタイトルばかりだ。
聞きなれない言葉だらけの本棚。
ちゃんと選べるのだろうか。プログラミングの本を。なるべく初心者向けの本を。
みんくは、だんだん不安になってきた。
こんなとき、どうやって選べばいいんだろう?
みんくは、ひたすら、ひたすら考えてみた。
そうだ。本の表紙で判断しよう。
動物とかお花とか、かわいい絵柄があれば、それは初心者向けの本に違いない。
みんくは、その考えを実行にうつす。
本棚の本を一冊一冊つかまえては、引き出して、チラチラと表紙だけを見る。
うーん。ない。
お母さんの読んでいる本は難しいものが多いのか、
学校の教科書みたいな、よくわからない図形や色の表紙ばかり目立つ。
それでも、みんくは、くじけることなく、丁寧に本棚を探していった。
「あった!」
動物が表紙に描かれてある本をとうとう見つけた。
新品みたいな本で、キレイでピカピカだ。
期待に胸を高鳴らせて、ページを開く。
読んで数秒で、頭がフリーズした。
見たことのない英語、記号。大量の数字。
なにこれ、とっても難しいよ!
みんくの頭はパニックになり、思わず本を「ドサッ」と落としてしまった。
すぐに我に返り、あわてて拾い、本棚に戻す。
どうやら、この動物の絵が描かれた本は、かなり難しい本のようだ。
他の本にしよう。そうしよう。
みんくは、ふたたび、本棚に手を伸ばそうとした。
だけど、その手はぴたっと止まる。
なんだかお母さんの気配が近づいてくる気がしたからだ。
みんくは、お部屋から撤退することにした。
結局だめだった……。
みんくは、泣きそうな顔で、自分の部屋に戻っていくのだった。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます