ぷろぐらみんく!

alphaw

第1話 ゲームが大好き! でも禁止!?

円花(まどか)みんくは、ゲームが大好きな小学生だった。


学校に行くときも、学校から帰ってきても、ずっとずっとゲームに夢中。

学校の授業以外はゲームばかりしている。


ところがゲームばかりしていると、勉強がおろそかになってしまう。

そして、とうとう成績が落ちてしまった。


それを知ったお母さんは、鬼のような顔で、みんくをにらみつけ、怒る。


「……みんく。学校の成績が落ちてるでしょ。

 先生からも聞いたわ。今日からゲームは禁止にするからね」


「ま、待って! お母さん!

 私、お母さんの作ったゲームが大好きなの。

 ゲーム禁止だけは……それだけはやめて!」


みんくは泣きそうな顔で、お母さんに抵抗する。


実は、みんくのお母さんは「ゲームプログラマー」として活躍している。

お母さんの作ったゲームは、とても有名で、とても面白いゲームだった。

みんくも、そんなお母さんのゲームが大好きで、毎日プレイしている。


ゲーム禁止令は、みんくにとって、最悪なことだ。

なんとかやめてもらうよう、何度も何度も、お母さんにお願いした。


だけど、みんくのお願いも、お母さんには届かない。


「だめよ。

 私の作ったゲームが面白いのはうれしいけど、

 勉強がおろそかになるのは、いけないことなのよ。

 次のテストでいい成績が出なかったら、ゲーム禁止令はずっと続くわ。

 覚悟しなさい、みんく」


「うわーん! ひどいよー!」


みんくが泣いても、お母さんは黙ったまま、表情を動かさない。

お母さんはどこまでも鬼だった。


みんくは、がっかりした顔をしながら、自分の部屋に戻った。

勉強しなきゃ。ゲーム禁止令を解くために……。

みんくは、机の前に座り、ランドセルを開け、教科書たちをとぼとぼと取り出す。


教科書の表紙とにらめっこする。おもしろくない。

なんでこんなに教科書というのは、つまらないのだろう……。

ゲームがしたい。ゲームがしたい。ゲームがしたい。


そのとき、みんくは、何かに気づいた。


うん? あれはなんだろう? 机の片隅に何かある。

あれは……お母さんが使ってた、古いパソコンだ。


そうだ。あのパソコンを起動してみよう。

もしかしたら、ゲームの1つや2つは入ってるかもしれない。


ゲーム大好きなみんくは、ニヤニヤしながら、パソコンを触り始める。


パソコンには電源ボタン? っていうのがあるんだよね。

ここかな? ぽちっと押す。


暗かったパソコンの画面に、ぱっと光がともり、英語のロゴが表示される。

そしてしばらくすると、薄いピンク色の背景と、いくつかのアイコンが表示される。


これって、ですくとっぷ画面? っていうんだよね。

学校でちょっと習ったよ。えへへ。


もうすぐゲームができるかも。

みんくは得意気な顔で、アイコンのいくつかをクリックした。

しかし、明らかにゲームではない画面が映り、絶望するのだった。


ええっと……。そういえば。

パソコンの授業中に、男子がふざけて、パソコンゲームで遊んでた気がする。

ばれて先生に怒られてたっけ。

だから、このパソコンにも、なにかゲームが入ってるはず。


しかし、いくらクリックしても、ゲームは出てこない。

どうやらこのパソコンはお仕事に特化したもので、

ゲームというものは全然入ってないようだった。


みんくは、心底がっかりした。

やはり、勉強と教科書に向き合わないといけないようだ……。


やる気なさそうに、適当に、教科書を開く。

ぱらぱらと……めくる。

ん? なんだこれ。みんくは、何かに気づいた。


今ぱらぱらとめくった「じょうほう」の教科書には、

「プログラミングでパソコンのゲームを作れます」という内容が掲載されていた。


ぷろぐらみんぐ? パソコンで?

これでゲームが作れるんだ……。

ゲームが無いなら、作っちゃえばいい!

みんくは、ワクワクとする気持ちを感じていた。

そしてふたたび、パソコンに向き合う。


あまりプログラミングのことを理解していないみんくには、

これからさまざまな困難が待ち受けるのだった……。



つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る