7 雪を溶く熱――グラビティ・ファイア・ブリザード――美冬サイド3

3 けてとろけてててって


 くと見知みしらぬ部屋へやたおれていた。

 ん? ちがう。よくっている。部屋へやだ。

 えっ? どういうこと? わたし秋人あきひと一緒いっしょらしていたことなんてない……。


 自分じぶんなにきているのか。

 わたしなかにふたつの記憶きおく混在こんざいしている。

 組織そしき暗殺者あんさつしゃとしてそだげられた記憶きおくと、児童じどう養護ようご施設しせつ秋人あきひと一緒いっしょそだったという相反あいはんするふたつの記憶きおくが。

わたしたちって、何故なぜこんなところにいるの?」

 意識いしきうしなまえ記憶きおく辿たどってみる。

 まえにいる中学生ちゅうがくせいくらいの少女しょうじょ

 あ、彼女かのじょ魔女まじょだ。

 そして、わたしたちはまばゆひかりつつまれて……。

 ダメだ! よくおもせない。

美冬みふゆ?」

 こえけられてく。秋人あきひとめたらしい。

わたしたちってどうしてこんなところにいるのかしら?」

「そりゃあ、ここで同棲どうせいしてるからだろ……!?」

 自分じぶん言葉ことばおどろいている秋人あきひと

 きっとそうだ。秋人あきひともふたつの記憶きおく混在こんざいしているんだ。

「ねえ、秋人あきひと? 地面じめんころまわりでもしたの? ひどくよごれているわよ」

「そういう美冬みふゆだって!」

「えっ? あらま!」

 ふたりしてかお見合みあわせてわらった。それはなんの不安ふあんもない、こころからのわらいであった。

 混在こんざいする一方いっぽう記憶きおく。それが、ここでわたしたちがどころとすべきただしい記憶きおくのようだった。

 あく秘密結社ひみつけっしゃである組織そしきとは無縁むえん環境かんきょうまれそだった記憶きおく

一緒いっしょにお風呂ふろはいりましょうか?」

「そうだな」


 バスルームで、そしてお風呂ふろからがったあとはベッドで、わたしたちはこころゆくまであいった。

 ゆびが、したが、身体からだが、たがいのもっとも気持きもいところをっていた。

 秋人あきひと愛撫あいぶは、わたし身体からだを、こころを、とろとろになるまでとろけさせる。

 また秋人あきひとは、わたしくちで、またふたりの秘密の鍵穴たいせつなぶぶんで、何度なんどせいはなった(大丈夫だいじょうぶ☆ 避妊ひにんはちゃんとしたから♡)。

 何度なんどたっしてもおとろえない。

 そのべるものもべず、ただただあいたしかめあった。


 じつはふたりはもうんでいて、今度こんどねむったら二度にど目覚めざめないかもしれないから。


 ふたりとも限界げんかい近付ちかづいてきて、睡魔すいまゆめふちへと手招てまねきをしはじめた真夜中まよなか秋人あきひとわたしはだかむねかおうずめ、寝息ねいきはじめた。

 もうめなかったとしてもかまわない。

 そうおもえるくらいにはあいったのだが。

「あれ? この構図こうずぎゃくじゃないかな?」

 私的わたしてきには、わたしほう秋人あきひとむねかおうずめてねむりたかったのだ。

 でも……。

「まあ、いか。秋人あきひと、おやすみなさい♡」

 ゆめでまたいましょう🌠


 翌朝よくあさめたあと、一回いっかいあいってから、シャワーをびて朝食ちょうしょくり、仕事しごとかった。

 わたし小説しょうせつ投稿とうこうサイトのカコヨモ作家さっかで、秋人あきひと将棋しょうぎ駒作こまづくりの職人しょくにんだ。

 一方いっぽう記憶きおく(暗殺者あんさつしゃとしてそだてられたほう記憶きおく)では、小説しょうせつなんていたことなかったのに、そのけることけること。


 やがてわたしたちは結婚けっこんし、むすめまれた。

 はるなつ中間ちゅうかんくらいにまれたので、なかって瑠奈るな名付なづけた。


春夏はるなつ』→『はるなつ』→『は【るな】つ』→『るな』→『瑠奈るな


 一姫二太郎いちひめにたろうってうし、そろそろふたりしいんだけれど、秋人あきひとったらしゅう10回じゅっかいしかしてくれないのよ〜?

 ちょっと、不満ふま〜ん★ ぷんすか💢

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