第14話 コンクール予選ー結果発表

結果は表彰式ではなく、掲示発表。

ほたるをカフェに置いて、1人で結果を見に来た。


受付を通ると、人が思ったよりいない。


「あれ…?」


いつも結果が貼りだされる前は、人がたくさん待ち構えているものなのに。

時間間違えた?


掲示板の方へ急ぎ足で向かうと、なんと既に結果が貼りだされていた。

審査会議が早く終わっていたようだ。


遠目から、僕の名前が見えた。


あ…!良かった。優秀賞。全国大会通過と書いてある。


横にいる受付の女性に声を掛け、審査員の講評と賞状を受け取る。


「全国大会へのエントリー方法はこちらの用紙に書かれています」

「ありがとうございます」


近くの長イスに行き、講評を横に並べる。

8.3、8.5、9.2、8.0、8.8

結構バラバラな点数だな。前後点カットで平均点は…どうやら通過ラインより余裕を持って通過していたようだ。

ホッと胸を撫でおろしてから、講評を全て写真に撮り、はるか先生のLINEに送る。


『予選通過できました。全国大会頑張ります』


すぐに既読になったけど、なかなか返事がこない。

講評を封筒の中にしまって、全国大会へのエントリー方法を読んで返事を待つが、こない。


…仕事中だったかも…


諦めてカフェに戻ろうと立ち上がったところでLINE通知の音が鳴った。


『通過おめでとう!早く講評読みたくて、クライアント部屋に置いてきちゃった(笑)わりと点数も高いね』

『はい、レベル高くて焦ったんですけど』

『そうなんだ!その中の通過だから自信がついたね!今日のこと、次のレッスンで色々教えてね』

『はい』


次のレッスンで、今日のこと、どんな風に先生に伝えようか。

僕は、結果を携えてほたるの待つカフェへと戻った。

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