第11話 録画演奏結果

やった!


僕はスマホに書かれてる内容をもう一度確認した。


『審査結果:合格』


10月に受けるアナリーゼ講習の録画審査が合格したとメールに書かれてある。

良かった。まずは一歩前進。


早速、はるか先生にLINEで報告。


『先生、アナリーゼ講習会の録画審査、合格しました』

『やったね!2楽章以降の練習も頑張ろう!』

『はい』


飛行機とホテルの予約もしないと。

アナリーゼ講習会は2日間に渡る。

座学もあるけど、公開レッスン形式でレッスンも受けられるから、しっかり練習していかないと恥ずかしいことになるかもしれない。


『圭吾が3日目の予定聞いてきてるけど、飛行機はまだ取ってない?』

『はい』

『講習会の翌日、連れていきたいところがあるんだって、飛行機夕方の便にできる?何か別の予定があれば、無理しなくていいと思うけど』


連れていきたいところってどこだろう?どうせ2日目の講習を最後まで受けたら、その日の飛行機には間に合わないことは分かっていたから、もう一泊宿泊する予定でいた。


『分かりました。夕方の便を予約します』


圭吾さんは、はるか先生の大学の同級生で、学生時代は2人でピアノデュオを組んでいたそうだ。

今はクラシックコンサートの企画や、育成事業にも携わっていて、このアナリーゼ講習会は圭吾さんが企画したもの。

どうやら今年で2回目らしく、昨年開催して評判が良く継続されるようだ。


メールから詳細を押したら、昨年の参加者の名前と実際の様子が写真で確認できた。


…え…見たことある名前ばっかり…


全日本で常連の人や、コンクールの全国大会での入賞者など、上位メンバーばかりが参加していた。


これは…田園の残りの楽章、ちゃんと仕上げないと…本当に恥ずかしいことになるかも。

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