第17話 男子高校生
「は?そういうもんなの?」
陸郎は彼女なし歴が、年齢と同じという男だが、僕には他に相談できる相手がいなかったため、付き合うってどういうことだろう、と聞いてみた。
「いや、俺は女子と付き合ったことなんてないからさ、想像でしか言えないけど、付き合うっていったら、休みの日にデートに行ったりとかさ、学校帰りにどっか食べにいくとかさ、そういうなんてーの?甘酸っぱい出来事がたくさんあるんじゃないの?」
どうも夢見がちな男子高校生の意見のような気がする。
「あとさ、手繋いだり、抱きしめたり、キスしたりとかさ、あと、ほら、なんてーの、その先のエ、エッチなこととかもさ」
「夢見過ぎじゃね?」
「いや、だって、同じクラスの吉本だってこの前、彼女と屋上に向かう途中の階段でディープキスしたって言ってたし」
「はぁ?!」
陸郎は、彼女こそいないが、そういった話には興味があり、エロい話をするグループとも仲良くなり始めているようだ。
「俺、てっきりタケルも彼女とそういうことしてるのかと思ってたけど」
「してねーよ」
彼女がいるとなると、そういう目が見られるのか。それが男子高校生というものなのか。現実を突きつけられたような、それは一部の男子だけなんじゃないかと思いたい気持ちもあった。
「だいたいさ、幼馴染なんだよ、急に態度や話し方が変わるわけでもないし」
「でもさ、彼女は待ってるかもしんないぜ。だって『付き合ってるんだよね?』なんて、それ完全に念押しじゃん」
あれは、そういうつもりで聞いてきたんだろうか。言われてみればそうかもしれない。
「俺たちも健全な男子高生なんだぜ、ちょっと手を出したいとか、そんな気持ちあんだろーよ」
「幼馴染に?」
「幼馴染だって、彼女になったんだろ。そういう気持ちもあるから付き合ったんじゃないわけ?」
ほたると一緒にいると遠慮せずになんでも話せるし、自然体でいられる。それじゃダメなのか。
「なぁ、お前、エロ本とかで抜いてるわけ?吉本なんて、彼女を脱がすのを想像するだけで何度でも抜けるって豪語してたけど」
「!!!」
兄にあれこれエロいことを言われ慣れてるつもりだったが、同級生から言われるとまた生々しい。中学生の時は、同級生が話しているのを遠くで聞いているだけだったが、直接友人に言われる破壊力は凄まじかった。
「…エロ画像かな」
「じゃ、試しに彼女を思い浮かべてやってみなよ。付き合っていけば、そのうちそういう関係になるんだし」
付き合うってそういうことだ、そうこうしていくうちに、そのうちはるか先生のことも考えなくなるかもと思っていたんだ。
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