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大学のサークル仲間で集まって、ワイワイガヤガヤと駄弁っている。
ワンルームマンションの一室。部屋の主であるカノジョが言った。
「カレーでも作ろうか?スパイスで作るんだけど…。そんなに時間掛からないよ?」
「げっ!」友達の一人が小声で言った…。
「スパイスからって、ヤバいヤツだろ…」別のヤツも眉をしかめた…。
「だよなぁ…無理無理」とボクも肩を竦めて同意する。
「えぇ~?!先輩のカレー、美味しいですよぉ~。ワタシ、食べたことありますもん!」
一人で孤軍反論するこの後輩は、カノジョのお手製カレーを食べたことがあるらしい…。だが、この後輩以外のボク等、男どもは皆、カノジョが付き合っている…そう、今日はバイトで不在のカレから、ある情報を聞かされていた…いつも。
「何をこそこそ言ってんのよ?」とカノジョ。
「市販のルゥで充分!」
「いや、カレーは昨日食べたばっかりなんだよなぁ…」
口々に否定的なコトバが羅列される…。
「どうせ、ワタシのカレーは不味いって言ってんでしょ…アイツ」
どうやらカノジョ自身、"不味い"と言われている認識はあるらしかった。
互いに顔を見合わせるボク等…。互いが互いの顎で「お前が言えヨ…」と押し付け合う。
「いや、誰がバラしたか言わないで欲しいんだけどさ………」
渋々とボクは白状した…。
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