第2話 滝 2

煉瓦造りのよく清掃された駅前から少し歩くと、景色はがらりと変わり、汚れの多い年季が入った建物や、民家を改造して開いたのだろうお土産屋などが並び始めた。中には昭和を通り越して戦前に建てられたように見える古風な民家まである。コンクリートというものを知らないらしい貫徹した木造の一軒家に、本来風情を乱すことになるだろう古ぼけた電気メーターが、蜘蛛の巣とそれに掛かったハエやホコリに覆われている。

その道を歩いている間、一度だけ車が通ったのだが、私が道の端の方に、排水溝の中に足を突っ込むくらい寄っても、だいぶギリギリだった。髪の毛がバックミラーを掠めて、運転手の彫りの深いおじさんと目が合った。

しばらくすると、建物も見えなくなり、辺りの木々が急激に身長を伸ばした。運動不足からか、既に口呼吸になっていた私は必死になっていたのか、聞こえてくる水の流れる音に気がついていなかったようだ。


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文章力の向上を目指して ダンクルオステウス @dunkleosteus

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