第9話 魔女の家??
「はい??
魔女の家なんですか??」
「えぇ……それで全く買い手がつかなくて
王家の方ならこれを言っても大丈夫か……」
魔女の家ということは魔女?すなわち魔法が使える人が住んでいたということか。
「魔法が使える人がいたのか??」
「えー、やですねぇ。
王家の方ならご存知でしょう?
王様のいつもの命令ってやつですよー!!
まあ最も、平民には事実は知られてないので、平民の買い手がつくわけないですしね」
魔女の家とか言うと縁起悪いし、魔女狩りの怨念とかあっちゃ嫌じゃないですか。
そんなことをグダグダ並べてた。
なんか魔女の話と王家が関わってる感じなのか……?
「おい、店主」
「はい、なんでしょうか?」
「魔女狩りについて知ってることを全部吐け」
▼▼▼▼▼▼▼▼
威圧を発動したせいでブルブル震えてる店主を後目に魔女狩りの話を整理する。
王家、特に王様が、気に入った少女を嫁にしたり自分のそばに置いたりしないと気の済まない人で、
孤児院でも貴族の娘でも、街娘でも娼婦でも、片っ端から王宮に連れていくんだとか。
魔女狩りはそれに応じなかった親に教会の後ろ盾のもと魔女のレッテルを貼り、処刑して無理やり娘を奪い取るとか何とか。
信仰心が薄くなってきたとはいえ、魔法が廃れて以降、この世界では魔女は忌み嫌われている。
普段のストレスのたまる生活からも、魔女狩りは、平民たちの一種のエンターテインメントのようなものになっているそうだ。
その中身が疑われることはない。
彼らにとっては誰かが悪の手先である、と考えて処刑した方が面白いのだろう。
ヤバくね?王家相当やばいよ??
捕まえても、懐かなかった娘やお気に入りにならなかった娘は王家に媚びを売る貴族や商人の元に売られるらしい。
売られた後にどうなるか。それはそれは悲惨な末路が待ち受けてることだろう。
今の王様の奥方や、養子として入った娘、召使いも多くがそうやって無理やり連れてこられた女性らしい。
許せんな……王権神授説という考えもあるが少なくともその王には統治する資格はない。
「わ、私が知ってるのはここまでです……
お、お許しください……私は悪いことはしてないです……」
ほー?そうかそうか。
「悪いことはしてない?本当か」
「ほ、本当です……神に誓って」
ニヤリと笑ってしまった。
生前のドケチ精神を発揮しよう。
「よし、この家を買おうかな。結局、値段はいくらだ?」
「……か……い」
「ん?聞こえないぞ?」
「白金貨100枚です」
そうかそうか。神に誓って言う言葉がそれか?
こっちはお前がぼったくってるのは分かってるんだよ??
「じゃあ、店に戻って契約書確認しましょうか?
あなた、私には隠してたみたいですけど……
実は、この家白金貨30枚ですよね?
透けて裏から見えてましたよ
急に増えた70枚分はなんですか?値段的に敷金とか礼金とかはたまた税金とか言うのも変な話でしょう」
脂汗が店主からにじみでている。
これは図星だな???
さらに畳み掛ける。
「戻って確認しましょうよ
あなたが神に誓って本当のことを言ってるならすみません
だけど嘘だった場合は今話してくれた魔女狩りの話を流布します」
「す、すみませんでしたーー!!!」
土下座?のようなものをしてひれ伏している。
「じゃあ白金貨30枚でいいんだな?」
「は、はいいいい」
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全くなんなんだ、この王家の方は。
お金持ってるなら別に白金貨100枚でも30枚でもいいじゃないですか、ドケチっ……
横を歩く少年を見る。
「なんだ?」
ひっ……な、なんでもありませんんんん!!!!!
なんでだろう。普段は年相応の、むしろ可愛いくらいまである少年なのに……
ことある事に恐ろしいほどの威圧感を感じる。
この方はやはり只者ではないのだろう。
別にあの邸宅は白金貨30枚で売っても損は無いので良いか……
王家からタダ同然で……いや、処分でも何でもしろみたいな感じで厄介払いされた建物だからな。
店に着く。
さて、早くこのお客さんには金だけ払ってもらっておかえり頂こう。
今日はミーシャの15歳の誕生日だ。
魔女っ子で王家から売られてきた奴だから私の好きなようにして良いのだが。
さすがに無垢な子供に手をつけるのは気が引けた。
だけど今夜からは良いだろう。
ふふふふふ……
「何笑ってるんだ?早く入れろ」
ひっ……
はい、ただいまァ!!!
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