第6話 9月15日
9月15日
PSI研究所は北海道の中央部に位置する町の外れにあった。
金が無かったので、月刊アトランティスへ取材に行った次の日にキャップと会社近くの公園で会い現金5万円を借りるとその足で羽田空港に向かいそこから飛行機で14時に帯広空港着いた。空港の外に出ると昼だと言うのに随分と肌寒くスマホで気温を調べてみると20度だったで急いで荷物をまとめて出てきたので着るものは夏服だけしか持って来なかったことを後悔した。
そこから電車に3時間揺られその間に2回ほど乗り換えてやっと着いたのがPSI研究所の最寄り駅の街にで、スマホを見ると19時を過ぎていた。
スマホの転機アプリを見ると気温は13度で、半袖のシャツでは寒過ぎたので、商店を探して下着を重ね着するために買おうと思ったが、駅の周りには全くお店がなく、飲食店がチラホラあるのとコンビニが一軒あるだけだった。
ひとまず予約をしていたおホテルに行きチェックインして荷物のキャリーバッグを部屋に置いたあとホテルのカウンターでこの近くにユニクロみたいな店はないかと聞いてみると、衣料品の店は近くになくこの辺りの人は、だいたい電車で2つ目の大きな街にあるお店に車で行くということらしいので諦め、なくなく近くのコンビニへ行きその日の夕食と缶ビールを買って部屋へ戻った。
部屋でシャワーを浴び、ホテルの寝巻きに着替え、ベッドの端に座り目の前に、部屋に備え付けの小さなテーブルに弁当を置きながらテレビを見ていて、日本めの缶ビールをプシュっと開けた時電話が掛かって来た。
この状況、前にもあったなと思いながら、電話をみると班長からだった。
「なんですかキャップ。」
「何ですかは無いだろ、一応心配して電話してやったのに。」
「そりゃすいません。」
「それでどうだ、研究所には行けたか?」
「いや、最寄の町には着いたんですけど、もう遅かったので、明日行く事にしました。」
「そうか、結構遠いのか?」
「どうもここから車で1時間ほど掛かるみたいです。」
「随分遠そうだな。」
「はい、この街来た時寒かったんで下着でも買おうと思ってお店を探したらこの辺りそういうの全く無いんですよ。こことんでもない田舎ですよ。」
「まあ頑張れよ。」
「それより、東山って記者見つかったんですか?」
「いやまだ見つかってない。」
「何処行ったんですかね?」
「暗殺されてたりしな。」
「誰にですか?」
「警察に。」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ。俺も殺されるかも知れないじゃないですか!!」
「ああ、そう言えば原口さんがお前に、人手が足りなかったらいつでも言えって言ってたぞ。」
「原口さんが?」
「今日ちょっと電話したら、(俺はもう退職だから有給消化しなくちゃならないからいつでも休んでやる)だと。老人の暇つぶしだろ。」
「いいんですかそんなこと言って。」
「本人に言うなよ。」
「分かりました。」
「まあ、気を付けて取材しろや、じゃあな。」と言って一方的に切られたので、ビールを一口飲んだ。
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