第6話学園に通う少女5

「レオナさん、会長!」

「あ!サナ先輩!こちらです。よかった―、間に合ったんですね。」

「ええ、何とか間に合ったわ。それより会長説明してもらえますか?」


もう既にご立腹といった表情。


「もう、そんな顔しないで。大丈夫よ。」

「しかしですね、いきなり放送がかかったと思ったらリーナが決闘をする話になってたのですよ!」

「ご、ごめんなさい!!私では止めることができなくて!!すみません!!」

「レオナちゃんは謝らなくていいのよ?それより、こうなった経緯を話してもらえる?」

「はいっ!実は、休憩中、実践授業に向かっていたところに彼女たちと出会いまして……。」



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「と、言うことがありまして。」

「そこに私も出くわして、今にも手を出しそうだったから・・。」

「事情は何となく把握しました。しかし、よりにもよって決闘だなんて。会長、他に方法はなかったんですか?」

「え、えーっと、なかったと、思うわよ?」


そっぽを向いて答えている様子から、会長の好奇心的で提案された様子。


「会長、私の目をちゃんと見て言ってくれませんか?」

「しょ、しょうがないじゃない。リーナちゃんの実力だって知りたかったんだもの。」

「は~。会長のことだから、いつものことだと思っていますけど、よりにもよってリーナに決闘をさせるなんて。」

「そ、そういえば、リーナちゃんは魔法の制御が苦手だって言ってましたけど、剣技については話を聞いてませんが、大丈夫なんでしょうか!?」

「ええ、そこは大丈夫だと思うんだけど、それよりリーナはもう準備室に行ったのかしら。」

「はい。それにしても、ほんとに大丈夫なのでしょうか。魔道具の試し切りをすると言っていたのですが?」

「えっ!いま、魔道具の試し切りをするって言ったかしら。」


強く反応している。もしかしたら、何かあるのかもしれない。


「はい、何でも、サナ先輩用に作った剣の魔道具を試すと言ってまして。でも魔道具ってリーナちゃんは作れるんですか。魔道具って確か作るのが難しいと聞いているんですが。」

「あの子は子供のころから作っていたから大丈夫なんだけど。それにしても、今日はそんなもの持ってなかったように見えるけど…。多分、今回は……。」

「それにしても、リーナちゃんはすごいですね?魔法で、瞬間移動するなんて。いきなり消えたと思ったら、すぐに剣を持って現れたんですよ!」

「魔法で、瞬間移動?それに剣を持って?……。もしかしてあの子!?」


すぐさま頭を抱えてしまう。


「あの、サナ先輩そんなに悩まれてどうし・・」



『これより、1年生同士の決闘が行われます。両者ともに出てきてください。』



「サナ先輩、リーナちゃんが出てきました。」

「まずいことになったわね。会長、至急防御フィールドを最大出量にするように手配してください。それと、3年生全体に、バリアを張るように手配を。」

「サナちゃんいきなりどうしたの!?」

「理由は後で説明するので、至急を願いします。」

「わ、分かったわ。」


それを合図に、腰に掛けてあった生徒会専用のデバイスを取る。


『メイラさん、至急防御フィールドを最大出力に!それと、3年生全員に競技が行われている間、バリアを張るように連絡してください。』

『了解しました。それでは至急連絡します。』


それの会話が終わると同時に近くにいた3年生が動き出した。






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『これより、1年生同士の決闘が行われます。両者ともに出てきてください。』



「お姉さま専用に作った聖剣も微調整が終わりました。これなら、お姉さまに送ることができるでしょう。それにしても、お姉さま聖剣の試し切りに選ばれるなんて、なんて幸運なんでしょう。」


笑みを隠しがらは競技場へ姿を出す。


「あなた、制服のままで大丈夫ですの?防具をつけなくてもいいんですか?それとも、その剣しかもっていないんですか?オーホッホ。」


そう、見てわかる通り、私は制服に聖剣(?)に対して、ナーヤさん(確かこんな名前)はいかにも魔術師といった装備で来ていた。


「いえ、たかが試し切りのために装備する必要はありませんですから。」

「試し切り?あなたはどれ程私をコケにしたいのかしら!!」


『それでは両者が揃ったので、これより開始とする。始め‼‼‼』


それを合図に両者が動き出すと誰もが思っていた。しかしすぐに動くことはなかった。


「ナーヤさんと言いましたっけ?先に攻撃してもいいですよ?」

「あなた、どれだけ私を舐めているんですの?」

「でも、このままだと、勝敗は見えていますよ?一応、お姉さまに見られているので、一方的な試合にしたくはないんです。」

「本当に、私をコケにしたいようですわね。それなら、こちらから行かしてもらいますわ!!!」


すぐさま、魔法で攻撃するも私に傷一つ入ることもなく、その前に当たることはなかった。


「どうして、当たらないんですの!?」

「だから言ったじゃないですか。一方的な試合になると。それよりもそろそろ私も行かしてもらいますね?」


そう言い、聖剣(?)を持ち上げる。

すると、剣の先端に光が満ち溢れていき、そして次の瞬間、


聖なる、光エクス・カリバー‼‼‼‼」


声とともに剣を振り下ろす。




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それは突然の出来事だった。剣を振りを降ろされる。それだけの事なのに、背筋が凍り付いた。そして、全力でその攻撃を避けろと脳が言っていた。その感覚は今までに感じたことのないもので、無我夢中で動くしかなかった。


「えっ・・・・・?」


何が起きたのかわからなかった。それは観客全員も感じたものだった。

なぜなら、さっきまで私が立っていたところから約幅2メートルまでが焼け焦げ、観客席の下まで焼け焦げていたからだ。

どうにか反応して避けたが、もしも動いていなかったらと考えるとゾッとする。


「あなたは一体何を!?」

「どうして避けたんですか?当たらないと、威力が分からないじゃありませんか?」

「あなた何言ってますの!?あんなの受けたら、死んでしまいますは!?」

「だからどうしたんですか?試し切りに選ばれたんですから当たり前ではありませんか?」

「あなたおかしいんじゃないんですの?」

「それよりも、次の攻撃をしてもいいですか?」


(次の攻撃?おかしいんじゃありませんの?まだ同じのが打てるというんですの?ありえない。あんなの受けたら一溜りもありませんわ。)


ナーヤは、心の底から恐怖していた。



『競技場の防御フィールドが、規定値を越えました。すぐさま決闘をやめてください。』


「あれ、もう終わりなんですか?決着がつかなければお姉さまに褒めてもらえませんわ。」


リーナさんは悔しそうにしている一方、私は、


(た、助かりましたわ。もし、同じ攻撃を何度も食らっていたら・・・。)


そう考えただけで、冷や汗が出てきた。

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