第3話学園に通う少女2
「お姉さま!」
「あらどうしたの?」
「実は、ケーキをとってきたのでどうぞ。」
さっきとってきたケーキをお姉さまに渡す。
「まあ、わざわざありがと。それにこれは、イチゴのショートケーキね。」
「はい。お姉さまは、イチゴが大好きなので選んでみました。」
「ありがとね。それより、レオナさんとは良かったの?せっかくお友達ができたのだからもっと楽しんできたら?」
「それは大丈夫です。向こうも、お友達と話しているので。」
「それなら、なおさら友達と話してきた方がいいんじゃない?」
「いえ、私がいるとどうも緊張させてしまうようで……。それに、お姉さまといたかったんです。」
やはり、レイン王国の王女様という肩書があるせいで皆さんとは一定の距離を置かれて話す事になってしまった。
私としてはもっと距離が近くても文句は言わないのだが、みんなの思い描く王女様像がそうさせてはくれないらしい。
だからと言って、それだけがすべてではない。
もちろん、お姉様といる方が何倍にも嬉しいのだからしょうがない。
「あら、そう言ってくれると嬉しいわね。そう言うことなら、そうね楽しませてもらいましょうか。」
「はい、それとこの飲み物もどうぞ。」
「気が利くわね。ありがとう。」
「いえ、これもお姉さまのためですから、遠慮しないでください。」
一緒に持って来た飲み物をお姉さまに渡す。
「それにしても見たことない飲み物ね。どんな味がするのかしら?」
「はい、私も始めて見たのですが、どうやら、あのベルミニア山脈の奥にある国で作られているものらしいです。グレープのような味わいでおいしかったですよ!」
「そう、あなたが言うからには相当なもののようね。それではが頂こうかしら。」
そして、ワイングラスにそっと唇を乗せると、そっと喉に通していく。
「あら、おいしい!強すぎないグレープの風味が鼻を透き通るような感じでさわやかね。後味も悪くないわ。」
「そうですか!気に入ってもらってよかったです。」
「あら、サナちゃん面白そうな飲み物を飲んでるわね?」
会長たちが私たちの方へ寄ってきた。
流石といった所か、このワインを知っている様子。
「会長は飲んだことがあるんですか?」
「ええ。前に、父が出張に向かわれたときに気に入ったものですわ。その時、お土産として数本持ち帰ってくださって、私もいただいたの。とてもおいしかったと記憶しているわ。」
「マリア会長もお飲みになりますか?それでしたら持ってきますよ?」
「あら、ほんと?それではお言葉に甘えさせてもらいましょうか。」
「分かりました。それでは少しお待ちしていてください。」
ワインのついでにケーキも持ってきた。
「マリア会長、持ってまいりました。」
「あら、ケーキまで。ごめんなさいね?」
「いえ。こういうものは、甘いものと一緒の方がよりおいしく感じるので。それより、ケーキの好みがわからなかったのでお姉さまと同じものにしましたが大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。それじゃあ、まずは一口貰うわね。」
と、ワイングラスを口元に運んでいく。
「記憶通りおいしいわね。」
「マリア会長にも喜んでもらえてうれしいです。それでお姉さま、ケーキのほうはどうですか?」
「ええ、イチゴのジャムが程よい甘みを出していていいわ。やはりイチゴはいいわね?」
「お姉さまは、本当にイチゴに目がないですね。今度、私の国の方から取り寄せましょうか?」
「それはありがたいわ。レイン大国のイチゴは普通のと一味違うもの。」
「はい、ではそういう手配をしておきます。」
「ありがとう、それじゃあ、お礼に何か…。」
お姉さまが一瞬ふらついてしっまった。
しかし、直ぐに体勢をとりもぢした。
「お姉さま大丈夫ですか?」
「あら、おかしいわね、なんだか少し熱くなってきたし、少し目の前が揺れているのだけれど。」
「あら、そういえばこの飲み物少しアルコールが入ってたわよね。」
「はい、約3パーセントほどですが。」
「あら、うっかりしていたわ!サナちゃんアルコールにすごく弱いのよ。」
「そ、そうなんですか?どうしましょ!?そんなことも知らずに飲ましてしまうなんて。」
「ひとまず部屋へ運んであげましょう。」
「それなら、私が運びます。ちょうど隣ですし、責任がありますので。それと一応今日は私はお暇しておきます。お姉さまの看病をしておきます。」
「わかりました。皆さんには私から言っておきます。それでは、リーナちゃん、サナちゃんの事よろしくお願いしますね?」
「はい!!」
と、お姉さまの肩を持ち部屋まで運んでいく。
そして部屋の前まで来ると、
「お姉さま、お部屋の鍵はどこでしょうか?」
「ちょっと待ってね?…確かこっちのポケットに…‥‥。あったわ。」
「では部屋を開けますね?」
酔ってしまったとはいえ、まだ大丈夫な様子。
このまま安静にしていれば大丈夫でしょう。
そう思いながら部屋に入ってみると、部屋の中はきれいに整頓されており、ザ・勉強といった感じの部屋だった。
「ベットです。横になってください。」
「ええ、ありがとう。それと少し体が火照ってるみたいだから体をタオルでふきたいの。そこにタオルがあるから濡らしてきてくれない。」
「はい、わかりました。」
設備されている洗面所で軽くタオルを濡らす。
「お姉さま、濡らしてきました。」
「ありがとう。それともう一つ頼みがあるのだけど、服を脱ぐのを手伝ってくれないかしら。なんだかさっきから目の前が揺れてうまくボタンが外せないの。」
「わ、分かりました。」
(どうしましょう!?お姉さまの服を脱がすだなんて!?それに目の前からなんて!!し、下着やむ、胸が丸見えに!?)
と、少し戸惑ってしまう。
「ごめんなさい、さっきからなんだかやけに熱くて、急いでもらっても?」
「は、はい!?申し訳ございません。」
(そう。こ、これは悪いことではないの。ただお姉さまの手伝いをするだけ!け、決して、は、破廉恥な行為ではありません。)
お姉さまの前に立ち、ゆっくりと、ボタンをはずしていく。
「ハア、ハア。」
生の息が直接届いてきて頭が真っ白になっていく。
「お、終わりました。」
「あり、がとう。それ、じゃあ、タオルで、背中を、ふいてくれる?どう、しても、届かないの。」
「わ、分かり、ました。」
そして、次は後ろに回り、背中をふいていく。
「ハア、ハア。」
「・・・・・・・」
「ハア、ハア。」
「・・・・・・・」
「ハア、ハア。あっ!そこっ。もうちょっと、強く、お願い。なんだかかゆくて。」
「わ、分かりました。」
「ハウッ!そこは、ちょっと、弱いから、あまり、つつ、か、ない、あっ!」
「後、ごめんなさい。」
(も、もうそろそろ、は、鼻血が出てしまいます。それにしてもお姉さま、すこしエロいです。)
「お、終わりました。」
「ハア、ハア。あり、がとう。それ、にしても、もう、我慢が。ごめんリーナ。」
「お、お姉さま!?」
いきなり、押し倒されてしまった。
(フッ。フフフッ。いい雰囲気になりました。あのお薬を仕込んでおいて正解でした。)
そう、実は最初から私が仕込んでいたこと。
せっかくのパーティー。
お姉さまといい雰囲気になるために。
お姉さまがアルコールに弱いことも知っていた。
そしてあるものを用意しました。
それがこれ、
『酔ってそのまま良い雰囲気!ムラックスポーション!』
独自に開発した商品で、気持ちが高揚しやすくなるポーション。
材料は、ピンクスライムの液体、マンドラゴラの果汁、四葉のハーブ、人魚のうろこ、ドラゴンの赤爪。(ドラゴンと赤爪とはその名の通り、赤い爪の事である。)
どれも貴重なものでなかなか手に入らない。
しかし、お姉さまのために、権力を駆使して研究を進めた末にできたポーション。
しかし効果は絶大。
アルコールの良いとともに、目の前の者に誘惑されてしまう。
そして今は部屋の中で二人きり。
ターゲットは私だけ。
しっかりと演技をして、この気を逃さず、チャンスをつかみ取らなくてはならない。
「お、お姉さま、どうしたのですか!?」
「リーナ、私に、食べられて。」
「お、お姉さま、女の子同士だなんて。でも、お姉さまがどうしてもって言うなら。」
目をつむり、私は身を預けていく。
お姉さまは唇を近づけてくる。
(あともう少し、もう少し。)
そしてあと数センチ、というところでいきなり、
バタンッ‼‼
「あ、あれ?お、お姉さま、お姉さま?」
「すー。…。すー。‥。」
お姉さまが上になるように、寝てしまっていた。
「そんな―。あと少しだったのに。計算を間違ってしまっていました。お姉さまがここまで弱かったとは。はあ―。もう少しでキスができたのに。そして本当は、そのあと、あんなことやこんなことを、~~~~!?だったはずだったのに、やはり、不運すぎます!!」
と、寝てしまっているお姉さまの方を見る。
「ね、寝顔がこんなに近いなんて。こ、これはこれで。それにここはお姉さまのベット。クンクン。お姉さまのにおいでいっぱい。こんなにお姉さまを近くで感じるなんて、‥…。」
匂いと体の接触のせいで、高揚し気絶してしまった。
そして二人仲良くベットで寝ることになった。
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