第104話 確認

「えっと…これは腕輪?」


「そうみたいですね」


朱雀がいた場所に行くと、そこには朱色の羽根のような模様の腕輪が落ちていた。


「それの鑑定結果は…後の方が良いですね」


「そうだね。後で落ち着けた時にゆっくり聞こうかな」


俺は鑑定結果をまだ聞いていないけど、腕輪を一旦アイテムボックスに入れた。なぜならいた場所が変わったからだ。

かなり高かった天井もさっきより低くなり、壁には回り階段が現れた。



「「キエェェェェェ!!!」」


場所が変わると同時に朱雀と比べるとかなり小柄で、顔が2つある金と赤の鳥が空中に現れた。


「これが本来の100層のボスか」


『そのレアボスのようです。鑑定結果は見ますか?』


「いや、いいや」


朱雀と戦った直後だからだろうが、このレアボスはかなり弱く見える。もちろん、油断するとまたナービに怒られるので、油断はしない。


「転移」


今の俺は朱雀相手に魔力を使い過ぎて余裕はない。ナービは朱雀の魔力化を斬って増えた魔力をも使って、朱雀にとどめを刺すために魔術を放った。だから今の俺のMPは1000もない気がする。そんななけなしの魔力を使ってレアボスの元へ転移した。壁にある回り階段でレアボスの近くまで行こうとも考えたが、階段を登っている間にレアボスに何かされると面倒だからやめた。

俺が転移で近付いてきたのを見て、レアボスは魔法化を使ったのが魔眼でわかった。


「はあっ!」


「「キェーーー!?!!!」」


俺はレアボスの胴体を真っ二つに斬ってカグロで魔力を奪って増やした。やはり魔法化状態でも斬って大ダメージを与えられる白虎術は警戒もされにくいのでかなり便利だ。

斬られたレアボスは暴れながら頭から墜落して行った。


「限界突破、極限突破っ!」


俺は落ちていくレアボスを追って、天走で空中を蹴って勢いを付けて急降下した。


「雷雪化」


レアボスがまだ地面に落ちる前に追いつくことができた。俺はまだ魔法化を解除していないレアボスと同じように魔法化を行った。


「はあっ!」


「ギエェッッッ!!!」


そして、レアボスの腹を思いっきり蹴り飛ばした。レアボスは蹴られた勢いで吹っ飛んで壁に叩き付けられた。叩き付けられたとは言っても、魔法化中だからか、壁にべちゃっ…と炎が広がっただけで壁は壊れていない。


「ギェェ……」


俺は地面に着地して、レアボスの動きに警戒をしたが、レアボスは蹴りがトドメとなって消えた。


「マスター、お疲れ様です。相手が魔法化中でも、自分も魔法化したら物理攻撃も効果があるとよく分かりましたね」


「いけそうと思ってやったらいけただけだよ」


さっきの朱雀の突撃攻撃を見て、魔法化中なら物理攻撃だろうと、魔法攻撃になるのではないか?と思いついたのだ。


「では、アナウンスを解除します」


ナービがそう言って、戦闘中だからと止めていたアナウンスを流した。



『ピコーン!』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

  ︙

  ︙

  ︙



合計でレベルは8上がった。多分だけど朱雀を倒した分だけで7くらいは上がっている気がする。



「宝箱の中身を確認しに行くか」


俺はレアボスが消えたところに現れた宝箱の中身を見に行った。


「中身は…布か?何だこれ?」


宝箱の中には赤色と金色の高級感のある薄透明の薄い布のようなものだけが入っていた。


「朱雀の腕輪と一緒に鑑定結果を出します」


ナービはそう言って鑑定結果を出してくれた。



【名前】朱雀の腕輪

【レア度】SSS+

【耐久】9000/9000

【スキル】・魔法化Lv.MAX

【特殊効果】【魔攻】+1800



【名前】鳥の羽衣

【レア度】SSS

【耐久】 2000/2000

【スキル】 ・浮遊Lv.MAX・火無効

【特殊効果】 【防御】+100/【魔防】+600

      【攻撃】-1600/【敏捷】-1600



「おぉー!…ん?あれ?」


両方ともレア度が高いから良いもので、スキルや特殊効果もそれぞれ良さそうだ。良さそうだけど…


「朱雀の腕輪の魔法化のスキルは正直言うと微妙ですね。普通はかなりレアなスキルですが、マスターは取得しています。しかし、マスターは魔法化をあまり好んで使っていませんでしたので、スキルレベルは高いでしょうが、MAXではありません。腕輪の魔法化を使うとマスターのスキルである魔法化のスキルレベルの成長はしません。ですが、緊急時に使うとすれば魔法化Lv.MAXは役立つでしょう。


逆に鳥の羽衣のスキルの火無効はとても強力です。これがあれば朱雀の火の魔術も無効化できたでしょう。ただ、特殊効果のマイナスが無視できないくらいに高いです」


ナービからの評価も俺と同じような評価で、あともう一声が欲しかったという感じだ。欲を言うと、朱雀の腕輪に鳥の羽衣のスキルがあって欲しかった。


「試しに鳥の羽衣を装備してみてはどうでしょう」


「あ、そうだね」


俺は羽衣を首から下げて装備?してみた。


「………ごめんなさい。似合っているとは言えません」


「だろうねっ!」


男が羽衣を着けている姿なんて見た事がない。しかも、羽衣の色が無駄に豪華な赤と金だから成金みたいに見られそうだ。


「どうせダンジョンでは誰とも会わないので、見た目は無視でいいでしょう。性能はどうですか?」


「どうせ俺はぼっちですよ!」


ナービに軽く文句を言ってから俺はカグロを振って着心地を確かめた。


『ご主人様…これ斬っちゃいそうになる…』


「これは邪魔くさい!」


レア度がSSSランクのおかげか、カグロを振っても勝手に羽衣がカグロを避けてくれる機能はあった。しかし、カグロを刀から鎌に変えながら振った時は振るのを途中で止めなかったから多分斬っていた。自動回避はカグロの形状を変更してすぐには効果を発揮してくれないみたいだ。



「…それは朱雀のように強い火攻撃をする敵が現れた時の防御手段としてのみ使いましょう」


「そうだね」


最悪ステータスだけなら下がるのは目を瞑ってもよかったが、自由に戦えなくなるのは許容範囲外だ。

火無効だけは強いからカグロに喰わせないで、アイテムボックスに入れておくことにした。そして、朱雀の腕輪だけを新しく装備した。



「ナービ、カグロのステータス見せて」


「分かりました」


今度はカグロのステータスを見せてもらった。



【名前】カグロ

【種族】武器王

【年齢】0

【レベル】31 (10UP)

【ランキング】3位

【レア度】SSS+

【切れ味】SSS+

【魔力伝導率】SSS+

【耐久】∞

【スキル】

・不壊・思考・念話・悪食・成長・進化

【ユニークスキル】

・変幻自在・所有者固定・武気Lv.3

【エクストラスキル】

・暴食Lv.6

【特殊効果】【攻撃】+2200/【魔攻】+2200

【称号】

・暴食

・暴君

・更なる高みへ

・新種



「順調にレベルが上がってるな」


『でしょっ!』


新しいスキルとかが増えたりしてはいないが、順調に成長をしているようでよかった。



「じゃあ、クリスタルのところに行くか」


「いえ、その前に一休みをしましょう」


「え?なんで?」


どうせ休むんなら、こんな硬い地面ではなく、外に出て帰ってから休んだ方が効率的だ。外に一瞬で行くためにも、ボスを倒したことで現れた扉の先にあるクリスタルにはさっさと触れておいた方がいいだろう。


「恐らく、今回はマスターがぼっちで全てのレアボスを倒したので、試練と呼ばれるものが始まると思われます」


「あ…」


西のダンジョンとは違って、リュキが居なかったし、途中でロウと一緒に階層を降りたりしていない。全てのレアボスを俺がこの手で倒している。


「ですので、休んで万全の状態にしてからクリスタルに触れた方がいいと思います」


「そうだね」


俺はナービの言う通り、休むために横になって一眠りした。





【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 44 ★★★  (8UP)

【ランキング】 1位


【HP】   47230/89400    (2880UP)

【MP】   2930/73300-36000(2400UP)


【攻撃】  13080+2200  (480UP)

【防御】  10200+800   (384UP)

【魔攻】  13080+4000  (480UP)

【魔防】  10200+800   (384UP)

【敏捷】  14368+40   (528UP)

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv8

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.9・高速崩壊Lv.7

・神速多重思考Lv.8・全大耐性Lv.8

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8・修復Lv.7

・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3・究極テイムLv.3

・透明化Lv.4・透過Lv.4・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4

・自我完全操作Lv.8

・天使召喚Lv.6【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)・龍鱗Lv.4


【エクストラスキル】

・覇王Lv.9・魔眼Lv.7・武眼Lv.8・龍眼Lv.5

・強欲Lv.7・傲慢Lv.4・憤怒Lv.3・龍魔法Lv.4

・龍気Lv.3・白虎術Lv.3・朱雀術Lv.3


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・霊獣殺し

・四神流刃術

・四神流魔術

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

・西のダンジョンクリア

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