第64話 ナービ視点&妹視点
《ナービ視点》
「なぜこの私が人のサポートをしなければならないのですか…」
それが私の初めて思った感情でした。
そしてスキルとして取得した相手は何もわからずにただダンジョンに落ちて運良くユニークモンスターを倒してランキング1位になったというだけの人だ。急に力を持った人の行動は決まっています。弱者をいたぶって喜ぶようになる。そしてこの男だって酒と女と金に溺れて私の助言なんて聞かずに足をすくわれて終わるのでしょう。
「これからマスターはなにを目指しますか?」
マスターにこの質問をして帰ってきた答えは「最強になる」というものでした。
一瞬呆気にとられてしまいクスッと心の中で笑ってしまった。だが冷静になると嘘だと思いました。しかし心の中を読んでも本当だそうです。でも本当だとしてもレベル30もならないうちに勝手に最強だと思ってダンジョン攻略なんてやめると思いました。そこで剣を振って剣術のスキルを取得させてみることにしました。私はマスターに嘘は言うことはできない。なので剣術のスキルがあると便利なのは本当です。しかし、モンスター相手に剣を振った方が取得は早いし、今すぐ取得しなくても別に困りはしないでしょう。なのですぐに弱音を吐くのを見て嘲笑おうと思ってました。
『ピコーン!』
『剣術Lv.1を取得しました』
は?と言うのが私の感想でした。いつやめるのかをいつ弱音を吐くのかを待っていたのに3時間も剣を振り続けてスキルを取得してしまいました。いくらレベルが上がって集中力が上がったとしても3時間も黙々と振り続けるなんてできるわけないと思っていましたし、今も思います。だが、もしかしたら何かを振るのが好きな異常者だったかもしれないと思うことにして今度は投擲を取得させることにしました。
『ピコーン!』
『投擲Lv.1を取得しました』
なんで?あれから10分休憩させて今度は延々とただ石を投げ続けさせました。なんで2時間もスキルを取得するまで頑張れたのですか?いやいや!動くこと大好き!という異常者だと思うことにして今度はじっとして集中し続けなければならない魔力操作、身体強化、魔力感知を取得させようとやり方を教えました。
『ピコーン!』
『魔力操作Lv.1を取得しました。』
『ピコーン!』
『身体強化Lv.1を取得しました。』
『ピコーン!』
『魔力感知Lv.1を取得しました。』
なんで?なんで?なんで?そんなに集中できるのですか?あれから10時間も連続してやられてたんですよ?普通はそんなに集中力を持続できないです。
それなのになぜそんなに集中してできるのですか?
それになぜ……そんなに私の言うことを信頼しているのですか…?
マスターはスキルの取得中に私を疑うことは一切言いませんでした。そして心の中でも思っていませんでした。口には出しませんでしたが心の中ではきつい、大変などは思っていました。でもナービが取得できると言うならできてその取得したスキルは役に立つとずっと心の中で言っていました。
マスターと私は今日が初対面ですよ?しかも私はこんな謎の状況で謎に現れたただのスキルなのですよ?それなのになんでそこまで信頼できるのですか?
これでは…信頼していない私が馬鹿みたいではありませんか……
そこでこれからは私もマスターのことを信頼してできるだけ助力をしようと思いました。
するとマスターの色々な一面を見ることができました。
男らしい点、かっこいい点、ちょっとドジな点、可愛らしい点……上げていけば切りがないです。
時々私の助言を意図せずに破ってしまい私に注意される場面もありました。でもその都度口だけではなく心の中でも反省してもうしないようにしようと思ってくれました。
色々な一面を見ましたがその真っ直ぐなところが1番好きです。そうですね。きっとこの真っ直ぐなところを見てしまってからでしょう。マスターのことを男性として好きになってしまったのは。まさか今はただの1つのスキルとなってしまった私が誰かをましては人間を好きになるなんて思いもしませんでした。
いつかはこの気持ちは伝えたいと思ってますが今ではないでしょう。私は勝算のない勝負はしない主義です。なのでまずは再び……を手に入れないとですね。そのためにもテイムのスキルを取得させたのですよ?早く他の必要なスキルもどうにか取得させないとですね…いい取得させる言い訳を考えないといけませんね……
《妹視点》
「やっとお兄がダンジョンから帰ってくるよ……」
私はこの約1年とても苦労した。お兄のせいで!どれだけお兄の心配をしてくる人を私が何とかしたと思っているの!!
私は今年高校3年生になって大事な時期なんだよ!でも今はダンジョン専門学校などもできて進路の選択肢も大きく違っているからお兄に相談したいな…
でも!俺は強くてかっこいいぞ?とイキって生徒に教えているダンジョン科の教師よりも絶対にお兄の方が強いし!頼りになるし!かっこいいし!優しい!からそんな学校行くよりもお兄にマンツーマンで教えて貰って方がいいんだよねー!
いや!そんなことより何流されてどこぞの魔族と関係を持ちそうになっているの!私がどれだけ中学、高校で誰かとそんな関係にならないように手を回したと思っているの!お兄は同級生や年上には好かれなかったけど、面倒見が良かったからとても年下に好かれていた。だから私がさり気なくお兄じゃない他の人のいい所を言って気をお兄に向けさせないようにとても苦労したの!
そのせいで同級生と付き合ってしまったのを付き合うまで気付かない失態はあったけど、そこは私が何もしなくても別れたから良かった!そこまで私は苦労し続けたのに何勝手に貞操奪われそうになっているのさ…
こんなことなら最初から隠さずにちゃんと言っておくべきだった……
「帰ったら覚悟しててね?お に い?」
【名前】 斉藤 零
【種族】 覇王(龍族)
【年齢】 19
【レベル】 3 ★★
【ランキング】 1位
【HP】 78600/78600
【MP】 64300/64300
【攻撃】 10620+1000
【防御】 8232+450
【魔攻】 10620+1000
【魔防】 8232+450
【敏捷】 11662+40
【運】 100
【スキル】
・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv.3
・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8
・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX
・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX
・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX
【ユニークスキル】
・【ステータス】極大強化
・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション
・絶対感知Lv.7・高速崩壊Lv.7・神速多重思考Lv.6
・全大耐性Lv.7・超高速再生Lv.8・疾風迅雷Lv.6
・修復Lv.7・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3
・究極テイムLv.3・透明化Lv.4・透過Lv.4
・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4・強制進化(使用不可)
・自我完全操作Lv.3
【エクストラスキル】
・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.6・龍眼Lv.3
・強欲Lv.6・龍魔法Lv.3
【称号】
・先駆者
・挑戦者
・一騎当千
・耐え忍ぶ者
・名付け親
・強欲
・新種
・種族の王
・龍種
・龍の親
・○○への通行許可書
・東のダンジョンクリア
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