第63話 激怒

「マスター?言い訳はありますか?」


「いいえ……」


今の時間は深夜1時くらいだ。ということは結局あれから2人と最後まではもちろん、途中もすることはなかった。

なぜそうなかったかというと、モクヨが城のある部屋に魔道具は使われているのに気付いて魔道具を切るために部屋に入ってきたのだ。その魔道具の内容は念話系スキルの遮断というものだったので、ナービともカグロとも念話はできなくなっていた。そしてモクヨは急いで魔道具を切り、強制的に2人を力ずくで部屋から連れ出したのだ。


「なんか薬でも盛られたの…?」


「はい。普通の急に効果がある媚薬などは毒として毒耐性が働きますが徐々に効いてくるものなどはあまり対象にはなりません」


まだ飲めないが、アルコールを少しずつ飲んで酔うことはできるが、一気飲みなどをするとスキルが働くそうだ。


「薬が盛られていることに気付けなかった私にも落ち度はありますが、これは大問題ですよ?」


「大問題?」


「はい。これで魔族とマスターの信頼関係がなくなりました。よく考えて下さい?出された食事に薬が盛られていたのですよ?もう魔族の出された食事は食べることができないですよ」


確かにそう聞くとかなりやばい事をされていたのだ。今回はまだ媚薬だったのでよかったかもしれないが、即死系の毒が盛られていたかもしれないと考えると……


「この問題に魔族がどう出るかによっては魔族と今後関わらないか滅ぼすかに別れますね」


「滅ぼす!!?」


「はい。後に敵になる可能性が少しでもあるのならば早めに措置を行うべきです」


今回のナービは珍しくガチ切れみたいだ。今までで見たことがないくらいに怒っている。


コンコン

「少しお時間を貰えないでしょうか…」


モクヨがそう扉の向こうから話しかけてきた。


〈どうする?〉


〈とりあえず入れてみて敵ならば…〉


「どうぞ…」


そう言うとブラッドとレイカ以外の族長が部屋に入ってきた。


「「「「「この度は私どもの長ブラッドと族長レイカがご迷惑をかけて誠に申し訳ありませんでした」」」」」


そう言って土下座をし始めた。

咄嗟に頭をあげてくださいと言おうとしたがナービに今からは私が言うことを言ってください。と言われたのでそれに従った。


「今回の不始末は魔族としてどう考えている?」


「今回は魔族のトップであるお方が招いたことですのでこれは魔族全体の信用問題に関わると思います」


「今この場に当事者2人がいない理由は?」


「それは2人は反省はしていますが罰を負っていないのでまだことの責任を果たしておりません。そのため連れてきませんでした」


「2人の罰とは何を与える?」


「こちらが与えるものとしては1週間の謹慎、その後監視魔道具の着用及び監視です。そして他の罰は覇王様に決めてもらいたいと思っております」


「もし俺が死刑と言ったら?」


「そ、それはそうせざるを得ません…」


「なぜ?」


「…た、例え…2人を犠牲にしてでも覇王様が敵になられるのだけは避けなくてはなりません」


「なぜ?」


「覇王様だけでも魔族を滅ぼすことが出来るでしょう…しかしそれとこのことが獣人、エルフ、ドワーフに知れただけで覇王様になんという無礼を…と総攻撃を受けてしまいます…」


「わかった…今回は魔族側が与える罰だけで良い。その代わり次回こんなことが起こったのならばもう許すことは与えないと思え」


「は、はい!」


「言わばこれは執行猶予だ。失った信頼を取り戻してくれることに期待する」


「はい!」


「では通信用の魔道具は渡して置く。もし何かあれば連絡するといい。ただし5回までしか使えないのでそのつもりで」


「はい」


「では、俺は地上に帰る。くれぐれも失望させてくれるなよ?」


〈はい!別の階層に転移!!〉


そう言われて急いで寝ぼけているリュキを連れて90階層に転移した。



「さて、ここからはマスターへの説教の時間です」


「ですよね…」


俺の説教はもしかしてない?と思っていたがやはりあったようだ。


「まず、なんで薬を盛られていることに気付かなったのですか?もし気付いて毒だ!と思った瞬間に毒耐性は働くので治りますよ?」


「すみません…」


「まず部屋に入って私と会話ができない時点ですぐに転移をしてでも場所を変えるべきです」


「すいません……」


「そして2人が来た時も動かないのが精一杯の抵抗だと思っていたかも知れませんが、カグロやリュキに攻撃をして貰って時間を稼ぐか、自分に攻撃をしてもらい、正気を取り戻すことができましたよ。その努力をマスターは怠りました」


「すいません………」


「どんだけ性聖を使いたいのですか?マスターがそれを使う場面は当分来ませんよ?」


「すいません…………」


「今すぐ★で自我完全操作を取得しなさい」


『ピコーン!』

『自我完全操作Lv.3を取得しました』


「これで我慢出来なくて…という事はありません。なので自我をコントロールできるのにまた同じようなことをすることがあるならば今度は去勢のスキルを取得してもらうことを考えなければなりませんよ?」


「去勢!?」


なんか名前からして絶対取得したくないスキルなんだが…。


「何か問題でも?」


「いえ……」


「私はそういった行為をしてはいけないというつもりはありません。ただ、その場の雰囲気に流されてくるのではなく、ちゃんとお互い好き同士になって真剣に交際をしてからではないと認めないということです」


「はい…」


「反省しましたか?」


「はい…」


「もうしませんか?」


「はい」


「ならば明日はいよいよ地上に出るので今は寝てしっかり休みなさい」


「はい。おやすみ…」


「おやすみなさい」















〈1番先に好きになったのは私なんですよ…〉








【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 3  ★★  

【ランキング】 1位


【HP】   78600/78600

【MP】   64300/64300


【攻撃】  10620+1000  

【防御】  8232+450   

【魔攻】  10620+1000  

【魔防】  8232+450   

【敏捷】  11662+40   

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv.3

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.7・高速崩壊Lv.7・神速多重思考Lv.6

・全大耐性Lv.7・超高速再生Lv.8・疾風迅雷Lv.6

・修復Lv.7・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3

・究極テイムLv.3・透明化Lv.4・透過Lv.4

・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4・強制進化(使用不可)

・自我完全操作Lv.3(New)


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.6・龍眼Lv.3

・強欲Lv.6・龍魔法Lv.3


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・○○への通行許可書

・東のダンジョンクリア


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