第6話 宝箱

意気込んで5階層に来てみてはみたものの…。


「あれ?全く一緒?」


様子が4階層と変わっていなかった。


「1から10回層まではダンジョンの様子は変わりません」


だったら最初から言ってほしかったと思うが、気にしないで案内通りに進んでいく。



「ゴブリンが2体いました。」


そうナービが教えてくれた。見える範囲に近づくとゴブリンもこちらに気付いたようで、2匹揃ってこちらに向かってくる。

近くにきたので1匹の顔に石を投げて怯ませ、その間にもう1匹の棍棒を避けて、顔に回し蹴りをくらわせ、最初に怯んだ方に剣で斬りかかった。


『ピコーン!』

『体術Lv.1が体術Lv.2になりました』


体術のスキルレベルも上がったみたいだ。そして、当たりどころがよければ蹴りでもゴブリンを倒せるようになった。



「お疲れ様です。2匹でも問題なさそうなのでこのまま進んでいきます。モンスターあまり多くないので称号のエンカウント率UPをONにしておきます」


まあこの調子なら大丈夫だと思ったのでそのまま進んでいく。

何回か2匹セットでくるが同じようなやり方で倒していった。


「宝箱がありました」


ナービがそう言ったので宝箱のほうに進んでいく。そして宝箱のところまでやってきた。



「スキルの書を下さい!!」


そう言いながら宝箱を開けた。


「今度は靴?」


宝箱の中には靴が入っていた。


「少し特殊効果の付いた靴のようですね。マスターの靴は傷んできていたのでちょうど良かったです」


俺の望みには答えてくれないが、今必要なものが出るあたりは運がいいと言えるのか?

ナービに鑑定結果を教えてもらった。



【名前】スピードシューズ

【レア度】D−

【耐久】 150/150

【スキル】

【特殊効果】 【俊敏】+5



この靴を履くと俊敏が5上がるそうだ。履いてみると、今までの運動靴より丈夫そうで軽いのでとても履き心地がいい。


「履いていた靴は大切なものでなければここに置いていきましょう」


ダンジョンに捨てたものは24時間でダンジョンに取り込まれるらしいので今まで履いていた靴はここに置いて行くことにした。特に高いものでもなかったからな。そしてまたダンジョンを進み始めた。




『ピコーン!』

『レベルが上がりました』

『剣術Lv.2が剣術Lv.3になりました』

『投擲Lv.1が投擲Lv.2になりました』



あと1つレベルが上がれば強奪を取得できるとテンションが上がってきた。



「テンションが上がっているところ悪いのですが、ゴブリンが3匹やってきます」


せっかく人がいい気分でいたのに邪魔をされたようだ。仕方がないのでゴブリンに八つ当たりでもしようと思った。


「「「グゲゲッ!!」」」


3匹がこちらに走ってきた。まず振るわれた棍棒を躱して1匹を斬り、そして1匹を蹴り、最後の1匹も斬って戦闘は終了した。


「3匹でも余裕で倒せるみたいなのでこのまま6階層にいきましょう」


時々現れるゴブリンを倒しつつ6階層へ続く階段やってきた。



「ここからはゴブリン以外のモンスターも出るので注意してください」


「どんなモンスターが出るの?」


「吸血コウモリとホーンラビットです。」


「特徴は名前で連想できる通りでいいの?」


「はい。1メートルくらいの大きさの血を吸うコウモリと50センチくらいで突進して角で刺そうとしてくるウサギです」


本当に名前の通りだった。でも新しいモンスターが出ると言うことで少しワクワクしてきている。


「よし!それじゃあ6階層に行『ピコーン!』くぞ!」


『魔力感知Lv.4が魔力感知Lv.5になりました。』


「……すみません」


「大丈夫ですよ……」


しまらねーな!!!





「ホーンラビットがいました」


6階層に入ってすぐナービが教えてくれた。

見つけたホーンラビットのステータスを見せてもらった。



【名前】 

【種族】  ホーンラビット

【年齢】  0

【レベル】 2

【ランク】 E+


【HP】   130/130

【MP】   25/25


【攻撃】  63

【防御】  22

【魔攻】  16

【魔防】  16

【敏捷】  79

【運】   9


【スキル】

・突進Lv.1


【ユニークスキル】


【称号】




俊敏が早くて厄介なためE+なんだそうだ。

ホーンラビットも俺に気づいたようでこちらを睨んでいた。


「うわっ!!」


いきなりホーンラビットがこっちに突進してきた。びっくりして一歩下がったものの、とっさに首を剣で斬ることができた。


「注意してくださいと言いましたよね?」


「すみません……」


少し調子に乗り始めていたようだ。いつ死んでもおかしくないダンジョンにいるのだからここからはまた気を引き締めて行かなければならないな。そう気持ちを改めて進んで行った。



「前方に吸血コウモリがいました」


今度はコウモリが現れたようだ。またナービにステータスを出してもらった。



【名前】 

【種族】  吸血コウモリ

【年齢】  0

【レベル】 1

【ランク】 E+


【HP】   120/120

【MP】   50/50


【攻撃】  40

【防御】  30

【魔攻】  50

【魔防】  20

【敏捷】  50

【運】   4


【スキル】

・飛翔Lv.1・吸血Lv.1・超音波Lv.1


【ユニークスキル】


【称号】



飛翔はそのまま羽で飛ぶスキルで、吸血は血を吸いってHPを回復させるスキルで、超音波は仲間を呼んだりできるスキルだそうだ。

今度は警戒しているとどうやら上に引っ付いているようだ。そうしたら上から飛んできた。

今度は油断せずに片方の羽根を斬り、地面でもがいている間に首を斬った。


「飛んできたって言うより上から落ちてきたよな?」


「飛翔のスキルレベルが低いので普通に飛ぶことはできないのでしょう」


強奪で飛翔を奪えたら飛べるようになるのでは!と期待していたが、俺に羽がついていないので無理なようだ。


「そんなことより超音波で仲間を呼んだのでここに吸血コウモリが集まるので頑張って倒しましょう」


どうやら羽根を斬ってもがいている間に仲間を呼んでいたようだ。超音波は俺には聞こえないから分からなかった。


「まずは前方から2匹来るので頑張ってください」


完全に人事だなぁ!と突っ込みたかったが、そんなこと言っている余裕もなく、すぐに吸血コウモリがやってきた。






「はぁー……、はぁー…」


「お疲れ様です」


どんどんと吸血コウモリは来るわ、戦闘音を聞いたのかホーンラビットやゴブリンまでやってきていた。


「戦闘中はレベルアップなどの音は鳴らないようにしていましたので今解除します」


『ピコーン!』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『身体強化Lv.1が身体強化Lv.2になりました』

『剣術Lv.3が剣術Lv.4になりました』

『体術Lv.2が体術Lv.3になりました』

『体術Lv.3が体術Lv.4になりました』

『身体強化Lv.2が身体強化Lv.3になりました』

『剣術Lv.4が剣術Lv.5になりました』



一気にレベルアップしたな…っと思った。

今回は余裕がなかったため身体強化も使っていたため、身体強化のスキルレベルも上がった。

とりあえず落ちていた魔石を数えながら集めてみると57個あった。通りでレベルが一気に上がるわけだな。


「疲れているようですが、階層に入ってすぐのところはモンスターが出ないようになっているため7階層まで頑張りましょう」


毒舌のナービも今回は流石に優しく声を変えてくれた。この階層のモンスターを片っ端から倒したせいなのか、7階層までモンスターが出ることはなかった。



「………」


俺が倒したモンスターの魔石を数えながら拾っている時に、ナービはエンカウント率UPをONにしたままだったのを思い出していた。別にモンスターが多く来たおかげで早くレベルも上がったし、知らぬが仏ということで黙っていた。











【名前】  斉藤 零

【種族】  人間

【年齢】  18

【レベル】 17★★ (4UP)

【ランキング】 1位


【HP】   750/1060 (240UP)

【MP】   250/850 (200UP)


【攻撃】  210 (40UP)

【防御】  158 (32UP)

【魔攻】  210 (40UP)

【魔防】  158 (32UP)

【敏捷】  236+5 (44UP)

【運】   82


【スキル】

・剣術Lv.5(3UP)・投擲Lv.2(1UP)

・体術Lv.4(3UP)

・身体強化Lv.3(2UP)・恐怖耐性Lv.2

・魔力操作Lv.3・魔力感知Lv.5(1UP)


【ユニークスキル】

・ナビゲーション


【称号】

・初エンカウント

・初ユニークエンカウント

・初スキルゲット

・初スキルレベルアップ

・初レベルアップ

・初モンスター討伐

・初ユニークモンスター討伐

・初ユニークスキルゲット


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