第7話 強奪

7階層の階段の下に座って休憩していた。


「★が2つになったから★を使って強奪のスキルを取得していいの?」


「はい。さっさと取得してください」


長いようで短かったが、ようやく2つ目のユニークスキルを手に入れることができるようだ。

そう言えば強奪のスキルを詳しく聞いていなかったと思い、具体的にどうゆうスキルか聞いてみるとこんな感じだそうだ。



強奪Lv.1

殺した相手のスキルを10%の確率で奪う

強奪Lv.2

殺した相手のスキルを25%の確率で奪う

強奪Lv.3

殺した相手のスキルを50%の確率で奪う

強奪Lv.4

殺した相手のスキルを1つ奪い、10%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.5

殺した相手のスキルを1つ奪い、25%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.6

殺した相手のスキルを1つ奪い、50%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.7

殺した相手のスキルを2つ奪い、10%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.8

殺した相手のスキルを2つ奪い、25%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.9

殺した相手のスキルを2つ奪い、50%の確率でもう1つ奪う

強奪Lv.MAX

殺した相手のスキルを3つ奪う



物凄いチートスキルだった。確率はステータスの運の要素とも絡んでくるそうだ。運の数値が高い俺にうってつけのスキルだな。


『ピコーン!』

『強奪Lv.1を取得しました』


俺は強奪の詳しい説明を聞いてからすぐに取得した。6階層の戦闘中に★を使って強奪を取得できていたらお得だったのでは?と思ってナービにできなかったのか聞いてみた。


「ステータスの操作などはマスター自身でしかできません」


スキルの一部や称号の効果のON.OFFはできるが、★などを使ったりはできないそうだ。少しモンスターを無駄にした気がするが、そのようになっているならしょうがないと気持ちを切り替えた。


「7階層はホーンラビットと吸血コウモリが複数で襲ってきますが問題ないですよね?」


6階層で散々複数で襲ってきたのを倒しているので問題あるはずがなかった。



モンスターを倒しつつ進んでいくと、1体のゴブリンがいたのでサクッと剣で倒した。


『ピコーン!』

『ゴブリンから性豪Lv.2を強奪しました』


ん?ちょっと待って?何かを強奪したらしいが、強奪したスキルがあまりに酷いものだったので、聞き間違いだと思ってステータスを確認してみた。


「…………」


「おめでとうございます。初めて強奪が発動しましたね」


「こんなスキルいらねーーよ!!」


なんともいらないスキルを強奪してしまった…。

このスキルの効果はそのまま言葉通りの効果だそうだ。


「マスターがそのスキルを使う場面は永遠にないと思いますが、強奪が発動したため強奪のスキル経験値が入ったのでよかったです」


せめて人生でいつかはこのスキルを有効活用してやる!と意気込んでさらにダンジョンを進んで行った。




そのあとは特に何もなく7階層が終了した。


「8階層からはウルフとコボルトが出るため気をつけて行きましょう。」


8階層からは追加で犬系のモンスターも出るみたいだ。



「ウルフを発見しました」


8階層入って数分くらいでウルフがいたそうだ。

ちなみに見つけたウルフのステータスはこちら。



【名前】 

【種族】  ウルフ

【年齢】  0

【レベル】 2

【ランク】 D−


【HP】   180/180

【MP】   30/30


【攻撃】  82

【防御】  68

【魔攻】  34

【魔防】  38

【敏捷】  104

【運】   11


【スキル】

・噛みつくLv.2・ひっかくLv.1・吠えるLv.1


【ユニークスキル】


【称号】




吠えるのスキルに嫌な予感しかしないが聞いてみると、超音波とあまり内容は変わらないスキルだそうだ。

余裕がない時以外は身体強化を使わない方がいいと言われていたので、身体強化なしの最速で近づいた。


「ワォーーン!」


「黙れ!」


一足遅く倒す前に吠えられてしまった。すぐに吠えたウルフを倒した。


「こちらにウルフが近づいてきました」


しかし、吠えられた後に倒しても遅かったようだ。またかよ!っと思いながらやってきたウルフに向かって行った。



「あれ?前回より少なくない?」


「前回は運が悪かったんですよ(今回はエンカウント率UPをOFFにしてますからね。)」


ウルフがあれから8匹と吸血コウモリが2匹来ただけだった。少なくないかとナービに聞いたらそんなことはないらしい。


「ではアナウンスを解除します」


『ピコーン!』

『レベルが上がりました』

『魔力感知Lv.5が魔力感知Lv.6になりました』

『剣術Lv.5が剣術Lv.6になりました』

『体術Lv.4が体術Lv.5になりました』

『ウルフから噛みつくLv.2を強奪しました』

『吸血コウモリから吸血Lv.2を強奪しました』



俺はどこに向かっているのだろうか…噛みつく気も血を吸う気もないのだが……。

ビー玉くらいの大きさの魔石を回収してまたダンジョンを進んでいく。


「宝箱がありました。近づくと矢が飛んできますのであまり近寄らないでください」


宝箱で嬉しい気持ちがあったが、罠があるようなので注意して宝箱まで案内してもらう。


「そこの床の色と壁の色が変わっているのが分かりますか?」


確かによくみてみると床と壁の色が少し変わっているのに気がついた。


『ピコーン!』

『罠感知Lv.1を取得しました』


どうやら自力で罠を見つけたのでスキルを取得できたようだ。自力で見つけたかというと少し微妙だが…。スキルレベルを上げるのはナービに任せてできるが取得するには自分でやらなければいけないのはちょっと面倒に感じてしまう。


「それではこの罠を解除していきましょう」


ナービの指示通りに罠を解除していった。


『ピコーン!』

『罠解除Lv.1を取得しました』


どうやら罠が解けたようだ。もう1度同じ罠を助言無しで解除しろと言われてもできる気がしない。


「これから罠感知と罠解除は私がやりますので気にしないでください」


どうやら顔に出ていたようだ。ん?ナービは俺の顔が見えているの?気になるがそれよりも今は宝箱の中身の方が気になっていたため宝箱に意識が向いた。


「魔法のスキルの書を下さい!!」


またこう言ってから開けてみた。そろそろ魔法を使いたい。


「今度はローブ?」


黒い無地のローブが入っていた。服もボロボロになってきたのでいらなくはないものだった。

ナービに鑑定してもらった。




【名前】黒のローブ

【レア度】D+

【耐久】 200/200

【スキル】

【特殊効果】 【魔防】+10



名前はなんの捻りもないが結構いいもののようだ。

大きさもちょうど良かったため、ローブを着てダンジョンを進んでいく。



「コボルトを2匹発見しました」


コボルトを見つけたそうなので早速鑑定してもらった。



【名前】 

【種族】  コボルト

【年齢】  0

【レベル】 1

【ランク】 D−


【HP】   200/200

【MP】   20/20


【攻撃】  98

【防御】  70

【魔攻】  25

【魔防】  29

【敏捷】  86

【運】   4


【スキル】

・棒術Lv.2・噛みつくLv.1・ひっかくLv.1


【ユニークスキル】


【称号】



特に問題無さそうだったのでそのまま2匹を剣で倒した。



『ピコーン!』

『噛みつくLv.1を強奪しました。噛みつくLv.2と統合します』


「せめて棒術が欲しかった……」


本当にステータスの運に効果はあるのかと思いながら先に進んでいく。




「9階層は8階層と出現するモンスターは変わりません」


9階層に続く階段を見つけたので9階層に進んでいく。





【名前】  斉藤 零

【種族】  人間

【年齢】  18

【レベル】 18★ (1UP)

【ランキング】 1位


【HP】   1120/1120 (60UP)

【MP】   900/900 (50UP)


【攻撃】  220 (10UP)

【防御】  166 (8UP)

【魔攻】  220 (10UP)

【魔防】  166+10 (8UP)

【敏捷】  247+5 (11UP)

【運】   82


【スキル】

・剣術Lv.6(1UP)・投擲Lv.2・体術Lv.5(1UP)

・噛みつくLv.2(New)・身体強化Lv.3

・恐怖耐性Lv.2・吸血Lv.2(New)

・罠感知Lv.1(New)・罠解除Lv.1(New)

・魔力操作Lv.3・魔力感知Lv.6(1UP)

・性豪Lv.2(New)


【ユニークスキル】

・ナビゲーション・強奪Lv.1(New)


【称号】

・初エンカウント

・初ユニークエンカウント

・初スキルゲット

・初スキルレベルアップ

・初レベルアップ

・初モンスター討伐

・初ユニークモンスター討伐

・初ユニークスキルゲット

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