入院中で一番地獄だったこと。 ※きれいな話ではありません
奇水です。
電撃文庫とかで主に書いてました。固定ツイートにしている作品はもう丸々4年前のものになるので、そろそろ外した方がよいのではないか、さすがにイラストレーターさんにも迷惑にならんですかね?などと元担当さんに言われていたりしますが、それはそれとして。
最後に本を出してから、いつの間にかもう4年が経過してしまいました。
出したのは2018年でした。
ということは、私が入院したのはその前年の年末なので、2017年ということになりますね。
その頃の私は、なんだかんだと年一ペースで本を刊行していまして、その年も『ご近所の殴りクレリック』を出し、忘年会にも顔を出す予定でした。
それが体調を崩したのは12月に入ってからで……
この時の具体的な話をすると色々と差し障りがでるというか、あんまり思い出すのも嫌というか。
まあとにかく12月に病院にいき、そのまま入院が決まってしまいました。
翌日に転院して即緊急手術――
年末年始を病院で生活することになってしまったのです。
ここらの詳細はおいおい語る機会もあろうかと思いますが、入院生活というのは案外と快適でした。
一定の温度が維持され、食事も旨いし。病院食は不味いというのが世間での評価ですけども、確かにカロリー制限はされている食事というのは、基本的に脂もほとんどありませんし、あんまり旨くないというのが相場なのですが、正直、毎日がコンビニの廃棄弁当で生活していた私からしたら、結構おいしかったんですよ?
量的な不満についていえば、なかったといえば嘘になるのですが、四十代も半ばになろうかという歳では、そう多く食べる必要もありません。
体が動かせないのはしんどいといえばしんどいですが、一日横になってぼんやりと小説の設定やらを考えるのは、それほど苦になることではありませんでしたから、妹に本など適当に持ってきてもらって、それを毎日読んでたりしてました。
あと病院には貧弱ですがWiFiも入っていたので、同居人氏に数日後にもってきてもらったノートパソコンで、どうにか暇も潰せるようになりました。
ちょっと読み込みが悪く、動画とかろくに見れなかったのが辛かったですが、Twitterを読んで、web小説とか読める程度ならさほど問題ではなかったです。
その期のアニメがほぼ見られなかったのは、辛かったですが……。
では何が地獄だったのか?
その前に…
「酸化マグネシウム」「センノシド」
この二つの言葉でぴんとくる人も、いますね?
そう。
これらは便秘の薬です。
つまり――
あんまり綺麗な話ではないですが、私は入院中、とにかく便秘に悩まされていたのです。
元々糖尿病性の便秘と推定される慢性のそれに何年も悩まされてましたが、それでも寝たきり生活の前はなんだかんだと水分をとったり、定期的に牛乳を飲んだりして自覚的にお腹をゆるゆるにして応じて、そんなにひどいことになることは、年にそう何度もあることではなかったのですが……。
入院中はそういうわけにはいきません。
ただでさえ寝たきり生活は、腸の働きを悪くさせるものでして。
入院一週間もたたずに大変に苦しくなって、相談すると酸化マグネシウムの錠剤とセンノシド系の薬をいただけるようになりましたが――
今度は、それで大変なことになりました。
まず酸化マグネシウムは便を緩くします。ですが、処方されたタイミングではすでに苦しくなっている状態です。そうすると、排泄に近い部分は硬いままです。多少は柔らかくなっていても、それでも硬いです。
センノシドは腸の働きを活発にさせ、排便を促す薬です。
この二つを、この状態で使用するとどういうことになるのか?
硬い先端を押し出すために、腸が活発に動き――
しかし先端は硬いままに、栓のような状態です。
それはそれは、苦しかったです。
こういう時は浣腸などを併用するのですが、入院生活の間に硬い便を出すこと数回…痔が悪化してしまったのでした。
そうするとですね……浣腸もできないほどにキツいことになってしまいました。
ここで誰かが軟膏とかそういうの使えばよくね?
とか気づけば話は違っていたのでしょうが、どういうわけか私も、看護師さんも、医師の誰もそこに考えが至りませんでした。それ以外で大変だったんでしょうねー。
とにかくそんなこんなで、薬を調整してほどよくするまでに、結構な時間がかかりました。
その間は本当に辛くて辛くて……
あれはまさに地獄でした。
辛かった。
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