第142話 介護施設の理想と現実⑧
その頃第一応接室では
介護福祉士の父親が「施設長、社長… 娘達の想いは想いとして尊重してあげたいですけど…こちらの日記を書かれた○○さんに、○○さん。他のお年寄り達の想いがかなり強いんですよ。話を聞かせて頂いていると…」
戦っておられた
入居者の女性には『○○ちゃんのお父様… 私もあの日入浴 してたんです。すみませんでした。今の今まで何も声を上げなくて…○○ちゃんが倒れた日も、悔しかった…悲ししかった…施設の職員と戦います。もう泣き寝入りはしないと決めました。警察に届け様と思います。私も証言しますし、お父様にも見聞きした事をお伝えします』
入居者の男性からは『か、んし、カメ、ラ、に…しょ、うこ』
があると言われ、感謝したと共に。今日の話し合い遺憾では考える余地はあるかな。と思っていた想いが、何の反省の色も危機感も無い様子を見て失望に変わったと述べられた
施設長.社長『申し訳ございませんでした。きちんと調べて対処いたします』
それしか言わないのだから…
父親「先ほど『娘達の要望としてお伝えしたまでです。この先どの様に改善されるのか見させて頂きます。その上でその先の事は判断させて頂きます』そう伝えましたけど…すみません。実は。警察へ証拠の日記等の資料や、監視カメラの提出を既に提出させて頂きましたので」
様子を見てこの先の事を判断させて貰おうと考えていた父親。しかし、この様子では絶対に何の証拠も出てこないし、真実を知る事も無理だとしか思えず入居者の方の想いを伝えても、どこか他人事の様に聞いている態度が許せなかった…と
警察に証拠を提出してようやく事が動き出したのである
余りに遅い判断…
重い腰をあげて警察はようやく捜査を開始
当該女性の逮捕という最悪の形で
介護福祉士の女性。従姉の女性。幼馴染みの男性。女性の父親の戦いに決着が付いたのである
当該女性の逮捕状が請求された際
『自分達のして来た事は無駄では無かった』
と号泣された幼馴染みの男性と父親
女性が助けた入居者が、無事に退院されて施設に戻って来られた際
『良かった…』
と呟やくと
大号泣した女性と従姉の女性
女性当該女性の逮捕の知らせには
『バカよ… 自分の感情優先して、お年寄り達を苦しめるなんて…何回も踏み止まって。そんな行いをしてはいけない。って思い直す時間はたくさんあったはずよ』
大号泣した女性と従姉の女性
そして
市立養護老人ホームが民間企業へ業務の譲渡を決定
市の職員が業務に係わる事を全面的に辞め、市から委託された企業が入居者を介護する形にで調整に入った
介護サービス会社以外にも手を挙げた企業がいたら…体制がガラって変わってしまい、入居者達が混乱する懸念を心配したのだが
その後、介護サービス会社が、施設から業務を引き継ぐ事が決定し、市の職員の中に、希望する者は介護サービス会社側で雇う事も決まったのである
文 山乃 英士
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