第136話 介護施設の理想と現実②
《 食事介助の時、介助する側の都合だと思う。お粥の上に 市側の職員がなんと…薬を上にのせたのだ…
それは『食べなさい』と言われても、口を開ける訳がないと思う。それで介護者がお年寄りを怒るのはありえないでしょう?可哀想で 見ているのも辛かった…
『そのように介助しなさい』
と言われてもとてもじゃない
一度私は家で同じ様に、ご飯の上に風邪薬を粉々にして乗せて 食べようとしたのだけど…もうほんの一欠片も …米粒一つに 一粒の粉が乗っていても飲み込める代物ではなかった…
私はなるべく初めにご飯を、薬が混ざらない様に薬だけなるべくスプーンに乗せて、口に運んで頂き素早くお茶を飲んでもらって。その後少しでも美味しく食事をしてもらおうと…それを見て
市の介護職員等が、睨んで来たりしたのには
(それになぜ慣れてしまっているの?)
と憤りを覚えたのだった…
その様ないくつかの理不尽が介護の現場には
いくつもあった》
《認知症のお年寄りにとって、家から出て一人外歩き回る施設内の廊下を歩き回るにはきちんと意味がある
一日中歩いているおばあさんは
『子供にご飯を作らなければならない』
おじいさんは
『仕事に行かなければならない』
黄昏時と言われる夕方になれば
『子供を迎えに行かなければならない』
『夕飯を作らなければならない』
『家に帰らなければならない』
その人その人の深い理由があるのだ
しかし残念な事に、車椅子に乗って頂き、車椅子の後ろに紐を付けて、廊下の手すりに…いわゆる『拘束』という行為だお腹にベルトを巻いて… 車椅子から立ち上がれない様に…
なぜそのような事をされるのか?分からないお年寄り達にとって恐怖でしかないと思う。大声で叫んだり泣いたり 、それでも職員の都合というものが優先されるという現実に
私はとてもショックを受け、私はその行為に慣れてはいけないと言い聞かせながら仕事をしていた
夜間は、ベッドから起きて歩き回る人に対して
両腕に紐を付けてベッドの柵に…
オムツをしていても、排泄の感覚がある人はトイレに行きたい。という思いから一晩中ベッドガタガタ揺らし。いえ外してほしいという当たり前訴えを、紐を外す。という 行為で必死に抵抗していたのだと思う
私は家で、仰向けになり両手を横に開いて、天井をじっと見つめた事がある。私の場合はだんだんと神経が眉間に集まってきて、ツンという感覚が起きて
とてもじゃないけれど 、じっとなんて無理だったのを覚えている
今はその様な施設が無いと信じたいが…
あまり動き回らない、1日の大半を横になって過ごしている人達に対しては 、何十人かを大部屋に布団をひいて…『雑魚寝』という表現が ぴったりな 状態で寝かされていて…プライバシーも何も、あったものではない。仕切りがないから、おむつを替える時に 大勢の人たちの中で…大事なところを晒されながら、オムツを替えられるという…
慣れる事…受け入れる事納得が出来なかった…
私は人への優しさを忘れないよう。その様な人間でいようと固く誓って…介護の仕事にやりがいはある。お年寄りも大好き。しかし人間関係というものは、私にとって…どうにもこうにも …克服し難い難問ばかりの課題であった…》
《体制的に、介護依頼した施設と介護サービス会社では施設側の方が立場は上
なるべくお年寄りの残された機能を大切に、お年寄りに出来る事をなるべくして頂く。その理念は分かる
介護を行う上で、時にお年寄りの抱える問題や、様々な事に強く感情移入をしてしまう人間は、心が苦しくなってしまう事がある
性格的には、さっぱりした人でないと厳しい現場なのではないか?と思う。しかし、さっぱりというより、人に対しての物言いが上から目線なのはどうか…と思うのだ
例えば右手が不自由なお年寄りに対して、入浴介助時に着替をして頂く際、右側の方の手に袖を通し、左肩辺りまで通すお手伝いをして、お年寄りにご自分にて左手を袖に通してもらう
その際
『自分でさせて!』
ご自分で服を着られる方には声掛けのみ。見守りで良い。しかし… 麻痺の残る手で、どのようにしてご自分で着て頂けば良いというのだ。そんな感じで、色々な事に上から物を言ってくる。そんなタイプの人達が、介護施設側の職員に多くいたのだ。介護サービスの会社職員に対してきつく当たる
何より許せなかったのは、施設で暮らすお年寄り達への態度だ
皆様も、長袖シャツを着て長袖の服を着た際に、中に着ているシャツの袖が"くしゃくしゃ"と、捲られた状態であったらとても違和感を感じると思います。少しでも快適に過ごして 頂きたい。不快感を感じないように介助者が、捲れた中のシャツを手首の所まで伸ばして差し上げる
それを介助というのではないか?
『そんな事しなくていいから』
『自分でさせて』
先程と同じ事。不自由な方の手のシャツは、動かせる手で直せても…患側の手ではもう片方のシャツを下ろす事は出来無いのだ。万事そんな感じ
食事も、靴を履く。のもほんの少しだけお手伝いするのが介護
あなたたちのお年寄りに対して
『まだ出来ないの?』
『早く食べて』
『早く服着て』
『 何、おむつ外してんの?』
心の無い人に、なぜ介護という仕事を選んだのですか?と問いたいです
お年寄りは人生の先輩です
人権を無視したような態度取る事は、到底許されるものではないと思います。自分のイライラを相手にぶつける事程、みっともなく愚かな事はありません
納得行かなくて、ある日爆発しました。介護施設側の職員に、反論の言葉を言ってしまいました
理不尽な事が、大嫌いな質の性格な為、きっとこんな事を間違っているという態度が目障りだったのかもしれません。沢山理不尽な事を言われ、理不尽な事を見て来て心が折れてしまいました》
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この施設の問題点
市の職員介護施設側と、介護サービス会社の職員同士で情報を共有する事無く、協力してより良いサービスを提供するという意思が無かった事である
彼女達の想いとして
心の無い人に、なぜ介護という仕事を選んだのですか?
と問いたい事
お年寄りは人生の先輩である。人権を無視した様な態度を取る事は、到底許されるものではないという
想いがある
体制的には、介護依頼した施設と介護サービス会社では施設側の方が立場は上であるという事。介護サービス会社側の職員を下に見ていたが為に、入居者への介護サービスを、ほぼ介護サービス会社の職員達に任せながら、言い方に語弊があるが、市の職員、介護施設側の職員は口だけは出していたのである
介護の理念は、なるべくお年寄りの残された機能を大切に。お年寄りに出来る事をなるべく、して頂く事である。ほんの少しだけお手伝いするのが介護
しかしこの施設側、市の職員は、介助する側の都合で介護を行い。かつ、人に対しての物言いが上から目線である事。自分のイライラを相手にぶつけている事
これらの件に対し、介護サービス会社側の職員は再三再四改善の要望を会社に訴えていた
それに対しての会社側の返答が『あまり事を荒立てない様に』であった
会社側は、自社の職員を守る事よりも利益や、保身を優先。介護施設側との関係を改善を図ろうとはしなかったのである
先に述べた、介護福祉士の女性。従姉の女性。幼馴染みの男性は介護施設側に入居者への対応改善を強く求め続けていた。が改善の兆しは見られず
そんな中
最大の悲劇が起こったのである
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