第39話 俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ…

るな「そんな…リョウくんは悪くないよ」


涼也「優しいね。るなちゃん。十二指腸潰瘍を患ったんだもん。いっぱい苦しさを訴えて良いのにさ、繰り言言わないで。ふうちゃんの事を気遣って。芳井さんが嫌な思いさせられてないかな?って。他のお年寄りや、介護サービス会社の職員の心配ばかりして」


るな「だって私の為に、皆沢山叱られれたのよ?ふうちゃんだって…事実をねじ曲げられて…」


俺が守ってやる


涼也「俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ…」


るな「さっきも言ったね?どういう…意味?」


涼也「もちろん俺にも、ずっと優しいのは分かってるの。 けど、るなちゃん誰にでも優しいんだもん 。俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ…って思っちゃうんだもん」


そう言った瞬間、瞳を潤ませたるなちゃん


また泣かせちゃった …ゴメンね


涼也「俺が守ってやるって。その内に、ふうちゃんに好きな人出来そうだな。って感じる様になって。気が付いたらるなちゃんの『その優しさ、俺にも分けてよ』って 思う自分がいて。 るなちゃん、今まで沢山泣かせてゴメンね。 気が付くのが遅くてゴメンね… 俺が守りたいのは、るなちゃん。優しくして欲しいのも、優しくしてあげたいのも、るなちゃんだから」


るな「嘘…」


涼也「ホント」


るな「私だって…リョウくんを守ってみせるもん! 優しくするから… 私だけに優しくしてよぉ」


うん。優しく してあげたいって言ったはずなんですけどね…


自分の思いを、ハッキリ言ったと思ったら…また飛んでもない爆弾落としてさ!


るなちゃん!可愛すぎでしょ!


涼也「ところでるなちゃん… 部屋の模様替えしたんだね 。淡い黄色のシーツとか、花柄のカーテンとか可愛いね」


るな「…私じゃないもん。ママだもん。頼んでもいないのに…」


そ、そうなんだ…まぁ、確かにるなちゃんはモノトーンとかの落ち着いた色合いの似合う女の子だからね…


数日前、るなちゃんがお風呂に入ってる間に 、見事にシーツとカーテンを模様替えしてたんだって…


涼也「時々母親って頼んでもない事するよね! アハハ!」


るな「 笑うなんて酷い。リョウくん…うふふっ、いたっ」


笑うとしてお腹に痛みが走っちゃったみたいだ。るなちゃん


涼也「ゴメンるなちゃん…」


追い詰めたヤツら許さねぇから…守るよ…














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