第37話 立場って何?

涼也「るなちゃん、あの後耐え切れなくなって、思いをアイツらにブツケタんだもんね」


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るな『芳井さん…ありがとうございます…もういい…お年寄りは尊敬すべき人生の先輩なんです!私達の言葉も、動きも、みんな見てるんです!お年寄りの人権を、尊厳を傷付けているアナタ達は間違ってる!」

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涼也「るなちゃん頑張ったね」


るな「…私立場をわきまえずに…」


立場って何?


涼也「立場って何?決められた範囲内で節度を保つのは、いいよ。市の職員の態度は立場を利用した嫌がらせでしょ?」


るなちゃん泣かせてばかりだね…


涼也「るなちゃん、ふうちゃん、他の会社の皆にも、人権があるんだ。何か事が起きた時に介護サービス会社側が悪い。って方向に持って行こうとする…おかしいだろ!?」


ビクっ


あ、思わず語気を荒げてしまった俺にピクッとしたるなちゃん


涼也「るなちゃんゴメンね」


るな「リョウくんは、いつもふうちゃんと私を守ろうとしてくれた。 会社は何で『市の職員や、施設側と争わないよう様に 』って、リョウくんを注意するの? 市の職員と、私達の関係が少しでも良い方向に向く様にと交渉してくれるのが会社の役目じゃないの?何回も何回もリョウくんは会社に裏切られた…『対処するから』って言ったのに…」


『対処します』と『 立場をわきまえて』


その場しのぎの言葉で約束で逃げようとしたよね? 会社側は…


市の職員の仕事が、お年寄り一人一人の介護サービス計画を立てたり、窓口業務だってのは分かるよ


けど


涼也「介護サービスの職員メインで、日々の業務を担って来たんだ。誇りを持って」


るな「業務を私達が行うのは嫌では無かったよ。 市の職員には違う仕事が…でも、午前中畳の部屋でお年寄りがいる中で私語をしながら、時に色んな人の噂話をしながら洗濯物畳んでいる姿は、本当に許せなかった」


涼也「食事介助や、入浴介助 とかさ。人手が足りない時だけ来てね。それでありえない事ばっかり言って来たり、したりする姿は本当に腹立たしかったよね」


るな「私達はともかく、 お年寄りに対してだけはせめて、優しく接してくれたら良かったのに…」


そうなんだよね。るなちゃんはいつだって『自分の事はいいの』って…『お年寄りにだけは優しくしてよっ』て…



涼也「俺にもその優しさ、分けてちょうだいよ…」

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