第16話それぞれの戦い⑥~心紀~

ご家族?ふうちゃんの父親の源本さん?


俺は源本さんにお話を聞かせて下さいと連絡して。ふうちゃんの担当を請け負った事を伝え挨拶もした


ふうちゃんの所に、時間の許す限り顔を出しておられる姿も見掛けている


憔悴仕切った表情の源本さん…


あぁ、ふうちゃんと一緒にご家族も苦しみの中にいたんだ…


--


倫『冴多先生…風歌は助け様としたんですよ…なのに…』


源本さんの想いは、ふうちゃんを苦しめた介護施設の事件の隠蔽を公にする事


嘘を付いている施設に、嘘を認めさせ謝罪させ真実を明らかにする事


その想いを知らないでふうちゃんを救えるはずないんだ。そして俺は、御厨涼也くん、桜王るなさんにも出逢い寄り一層想いを強くしたんだ


--


-みんなの部屋-


病院にて長期間入院生活を送り、生活している子供達がいる。院内学級とは他にレクリエーションの為の部屋。この病院では 『みんなの部屋』と呼んでいて


その部屋に置いてあるピアノをふうちゃんが弾いて、子供達が 聞くという光景が見られるようになったんだ


入院したての頃のふうちゃんは 、微かに表情の変化は見られるけど、余り表情を変える事が無かったんだけど


しかし、子供達と過ごしている時のふうちゃんの表情は全く違ってた


子供達を見つめる瞳が 、とても綺麗で慈愛に満ちていたんだ


それが本来のふうちゃんの瞳なんだね


子供達は分かっているんだね


仲良くなった子供達にふうちゃんは、お話を聞かせてとせがまれて


風歌『紙芝居を作ってあげる』


って約束して


そんな中、世界情勢が変化してきて…


体調崩すと、一気に症状が悪化してしまう、免疫力の弱い子供達…


会うのもリモートでしか出来なくなった子供達


ふうちゃんは、 何かしらの文章をいつもノートに記して過ごしている


その合間でふれあう子供達との交流の中で、 少しずつ精神が安定していった様に感じられて…


--


風歌『紙芝居出来たの』


俺にも少しずつ話をしてくれるようになっていたんだ


とても嬉しかった


そして…出来上がった紙芝居と、これまでにノートに記してきたふうちゃんの訴えたい事を


俺に見せてくれたんだ…


必ず助けてあげると誓ったんだ…


こんな理不尽な事があっていい訳無いもの…







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る