迷子の子供

家から出ると目の前は建物がたくさん並んでいた。


そうか、確かここは街だったな。


しばらく適当に街を歩き回っていると、俺は街の人々に活気が余り無いことに気が付く。


……さて、依頼を受けに行くか…、そう言えば依頼ってどこに受けに行くんだ?


…一旦家に戻ってアユナに聞いてみるか。


そう思った俺は来た道を振り返る。


…?、家ってどこにあるんだっけ。


そう思っていたら後ろから誰かが走ってきて肩がぶつかり、俺は呟く。


「なんだ?」


俺にぶつかった男は他の二人と共に急いでいるようで早歩きで去ってしまった。


なんだったんだ、あんなに急いで?


そう疑問に思いながらも適当に街を歩き回っていると、道端で座り込んで泣いている黒髪の子供を見つける。


俺は泣いている子供に近付いて姿勢を低くして言う。


「お前、迷子なのか?」


「うん…」


子供は元気の無い声で答え、俺は続けて言う子供に言う。


「両親はどうした?」


「パパとママは家にいるの」


「じゃあ、誰と来たんだ?」


「ラフィンお姉ちゃん…」


ラフィン? 確か俺を家まで運んでくれた人もラフィンって名前だったっけ…。


……子供を一人で置いていくのは不安だ。依頼を受ける所を探すついでにこの子の姉も探すか。


そう思った俺は子供に言う。


「俺が一緒に探してやる」

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