妹のアユナ
目を覚ますと俺は見知らぬ部屋にあるベットで寝ていた。
部屋にある窓からは日差しが差し込んでおり、ベットから起き上がろうとすると体が痛み呟く。
「うっ、痛!」
俺はそう呟いたら自分の体を見る。自分の体は所々に白い包帯が巻かれており右腕はなかった。
腕が…あれは夢じゃなかったのか。それよりここはどこなんだ?
そう思っていたら部屋のドアを開けて一人の茶髪で長髪の少女が入って来て、俺の元へ来て言ってくる。
「あっお兄ちゃん、動いちゃ駄目だよ!」
お兄ちゃん?…俺の事を言っているのか?
そう思ったので心配そうに俺を見ている少女に言う。
「お前は誰だ?」
「えっ…お兄ちゃん、私が誰か分からないの?」
「すまない、自分の名前も家も忘れてしまったようなんだ。こういうの記憶喪失とかいうのか?」
「……お兄ちゃん…私は妹のアユナだよ。それにお兄ちゃんの名前はカセフって言うんだよ」
そう言ったらアユナは悲しそうな顔をし、声を出さずに泣き出してこぼれた涙を手でぬぐっている。
そんなアユナを見て、俺は無意識にアユナの頭を左手で撫でる。するとアユナは俺に抱きつき、声を出して泣いた。
この子、アユナが俺の妹か…あまり実感がないな。
そう思いながらしばらくアユナの頭を撫でていると、アユナは泣き止んで俺から離れて言う。
「ご飯にしよっか…ちょっと待っててね」
アユナはそう言ったら部屋から出て、部屋のドアをゆっくり閉める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。